研究課題/領域番号 |
18K01704
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
藤木 裕 中央大学, 商学部, 教授 (90293969)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 金融知識 / 家計の投資行動 |
研究実績の概要 |
(1)「家計の金融行動に関する世論調査」から、どのような属性(年齢、性別、職業、学歴、所得、資産残高、金融に関する知識)の家計が、金融の専門家や特定の業界に属さない中立公正な団体等の外部の知見を投資の際に活用しているかを、多項ロジットモデルで検討した。次に、外部の知見の活用を行う家計の資産運用は、外部の知見の活用を行わない家計とどのように異なるか(例えば、株式投資により積極的かどうか)も検討した。初稿が2018年10月に完成し、2018年12月のキャノン研究所の国際会議、2019年3月のHousehold Finance会議でのコメントを踏まえ改訂中。 (2)「金融リテラシー調査」から、金融リテラシーを指数化し、指数の値が高い人はどんな属性を持つ人なのかを調べた。そのうえで、指数の水準と金融商品の商品性に関する理解、株式、投資信託、外貨預金・外貨MMFの購入経験、家計の金融商品を選択する際の情報入手先との関係について分析した。研究結果はTCERのワーキングペーパーに公表済み。分析の一部を全国銀行協会の研究会資料、財務省のフィナンシャル・レビューに発表予定。 (3)「金融リテラシー調査」から、金融リテラシーを指数化し、これを年齢、性別、職業、所得、資産、居住地域で予測するモデルを作った。このモデルを「家計の金融行動に関する世論調査」にも利用できる同じ変数にあてはめ、金融リテラシーの代理変数を構築し、従来用いてきた預金保険機構に関する知識のデータとの性質の違いを確認した。初稿が2018年10月に完成し、20018年10月のカナダ銀行でのワークショップにおけるポスター発表ののち、専門雑誌に投稿。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)について、初稿が2018年10月に完成し、20018年10月のカナダ銀行でのワークショップにおけるポスター発表ののち、専門雑誌に投稿できたため。 (2)について、ワーキングペーパーが完成したため。 (3)について、初稿が2018年10月に完成し、2018年12月のキャノン研究所の国際会議、2019年3月のHousehold Finance会議でのコメントを踏まえ改訂中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
(1)について、2019年6月の日本経済学会で発表し、コメントを踏まえさらに改訂する。 (2)について、4月末に全国銀行協会、7月末に財務省向けの原稿を完成させる。 (3)について、2018年12月のキャノン研究所の国際会議、2019年3月のHousehold Finance会議でのコメントを踏また改訂版を2019年8月のSWETとSingapore Economic Reviewコンファランスでの発表を踏まえさらに改訂。2019年内に専門雑誌に投稿できるようにプロジェクトを進める予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
統計ソフトのアップデートを2年目に遅らせたこと、海外出張招待先からの旅費・滞在費援助額が予測できず、前倒し申請が結果的には不要だったこと。
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