研究課題/領域番号 |
18K01706
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
塩濱 敬之 東京理科大学, 工学部情報工学科, 准教授 (40361844)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 方向統計学 / 空間統計学 / 空間不平等性 / 統計的推測理論 / 信用デリバティブ評価 |
研究実績の概要 |
1) 円周上に値を取る角度変数の確率分布に関して, 尺度変換を用いた非対称分布を考え、その母数推定に最尤推定量および近似ベイズ推定量, 事後確率最大推定量を用いたときの, 各推定量の漸近分布を導出し、シミュレーションによる精度パフォーマンスを比較した。また、角度データと実数データの同時分布からなる隠れマルコフモデルを考え、その最尤推定量の性質を調べた。この研究結果は, Econometrics and Statistics誌、および京都大学数理解析研究所講究録に掲載された。 2) 東京都公示地価を用いて、空間モデルを用いた地価モデルを推定し、1997年から2018年に渡る地価モデルの変遷を調べた。地価分布の空間非均一性に対処するために、バリオグラムパラメータの推定には、ある程度の空間定常性が確保できるようなクラスタリング手法に基づく地域の分割を, また、地理的荷重回帰モデルの適用によって対処した。分析の結果、東京都中心部と東京都西部における環境要因が地価に与える影響は時間の経過とともに格差が拡大する方向に推移していることが分かった。この結果は、応用統計学会誌および総務省統計研究彙報に掲載された。 3) 位相的データ解析を利用した時系列クラスタリング手法について、その方法論と応用に関する報告を国際研究集会にて報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題に関して, 2020年度には 研究論文5報, 国際会議報告1回の研究成果を得ることができた. 国際会議報告において報告した研究成果は2021年度に投稿論文としてまとめ, 国際誌に投稿するよう準備している. 2020年度に引き続き高次元時系列解析とネットワークモデルの関連に関する研究は金融工学におけるポートフォリオ最適化問題を用いて現在研究を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は, 2020年度に引き続き下記3点の研究を行う. 1) 円柱上のデータに対して, 混合分布モデルを提案し、その最尤推定量の漸近的な性質とEMアルゴリズムによる母数推定方法を考える。 2) 幾何情報を用いた時系列解析法の研究を行う. 高次元時系列モデルは, パラメータ数の増加や変数間のボラティリティの相関等, 様々な性質を扱う必要があるが, 金融資産価格のリターン系列のネットワークモデルによるクラスタリング手法を用いることで推定における困難を回避する可能性がある. そのようなネットワーク時系列モデルの提案とパラメータ推定方法に関する研究を行う. 3) 空間非定常性を考慮した空間統計モデルと方向統計学における各種円周分布との関連を明らかにし、空間不均一性を円周分布を利用して表現するような確率モデルの提案とその評価を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナによる海外渡航自粛の影響及び、遠隔授業準備に研究時間を割いたため、計画どおりの執行ができなかった.
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