研究課題/領域番号 |
18K01713
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
中川 覃夫 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (60076544)
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研究分担者 |
水谷 聡志 愛知工業大学, 経営学部, 准教授 (40469060)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 最適保全方策 / 信頼性 / 保全性 / 確率モデル / 費用最小化 / 保全計画 / 点検計画 |
研究実績の概要 |
データベースや企業設備などのシステムに対する多くの保全方策をいくつか提案し,それの保全方策を検討した.とくに数値計算を行うための近似計算法について議論を行った.また,故障が2種類ある場合,またミッション時における故障の影響を考慮したもの出るについて提案した. コロナ禍のため,予定したいくつかの国内または海外の会議が中止となった.しかし,いくつかの会議はオンライン形式により実施されたため参加した.2020年8月22日から23日にかけて開催された The 9th Asia-Pacific International Symposium on Advanced Reliability and Maintenance Modeling (APARM 2020)に参加し,"Random Replacement Policies for Two Failure Modes", "Periodic and Sequential Inspection Policies with Mission Failure Probabilities"という題で発表をした. 国内においては,日本OR学会春季研究発表会において"二つの故障モードを考慮したオーバタイム取替方策"を発表した.発表自体はコロナ禍のため中止となったが,アブストラクト集は出版された. また,Springer から出版された"Handbook of Advanced Performability Engineering", Misra K. B (Ed.) において,Chapter23, "WIB (Which-Is-Better) Problems in Maintenance Reliability Policies", S. Mizutani, X. Zhao, T. Nakagawa が出版された. 多くのモデルを提案し研究成果を挙げることが出来き,これらの研究は上記の課題に応用され,成果を挙げるであろう.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
保全方策の問題を現実的課題に対して適用するには,多くの数値計算が必要となる.保全問題における近似計算法について提案した.これによって,指数分布以外の確率分布を仮定して最適問題を解くことが容易になる.他にも故障が2種類あるモデル,またミッション時における故障の影響を考慮したもの出るモデルについても提案することができた.これらは,企業におけるシステム運用のリスクを下げるために応用することができる.とくデータベースシステムを利用して運用されれる金融システムの故障におけるリスクを減少させることができる. コロナ禍のため,予定していた全ての研究発表を実施することは出来なかったが,理論的に重要な結果を得ることができ,研究発表はおおむね順調に進展しているといえる.今後も,理論面に重点をおき,企業システムのリスク減少のためのモデルを提案し,それらの応用を探求する.
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今後の研究の推進方策 |
工場における設備や通信機器などに故障が発生したとき,すぐに検出できるとは限らない.そのような状況においても活用可能なモデルを提案する予定である.数値計算を実施し妥当性を検証する.また,システムに対する逐次点検について効率的な数値計算法を研究中である.これらの研究に対して2021年8月にアメリカで開催される 26th ISSAT International Conference on Reliability and Quality in Control(ISSAT2021) にて発表する予定である.発表した内容は,IJRQSE などの論文誌に投稿する予定である. また,2021年9月に中国で開催される The Reliability and Maintenance Engineering Summit 2021 (RMES 2021) において特別講演として著者のこれまでの研究成果を振り返って主なものを紹介する.さらに特別セッションを主催し,発表内容を書籍にまとめる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため,国内外の研究発表会議において,開催地に出張することができなかった.アメリカで開催予定であった ISSAT International Conference on Reliability and Quality in Control (ISSAT 2020) は中止となった.さらに中国で開催予定であった The Reliability and Maintenance Engineering Summit 2020 (RMES 2020) は 2021年に延期となった.またカナダで開催れた The 9th Asia-Pacific International Symposium on Advanced Reliability and Maintenance Modeling (APARM 2020) はオンライン開催となった. これらの状況を踏まえて2020年度は予算を使わずに次年度にまわす計画とした.2021年度においてもコロナ禍のため多くの国際会議がオンライン開催となる予定である.そのため,出張費は必要とならない可能性があるが,多くの国際会議に参加する予定である.そのため,多くの参加費が必要となる.また,学術的な書籍や数値計算用の計算機なども必要である.
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