研究課題/領域番号 |
18K01721
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
広川 佐保 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (90422617)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 盟旗制度 / オラーンチャブ / 内モンゴル / 蒙疆 |
研究実績の概要 |
今年度は、引き続き1940年代に刊行されたモンゴル語文書史料の読解をおこない、概要を把握することに努めた。また関連する既刊行資料(主に漢語)を網羅的に収集し、今後の分析への準備を行うことができた。 2019年9月、内モンゴル大学モンゴル学研究中心(フフホト市)に出張し、現地の研究者の助力を得て資料収集等を行った。これにより、内モンゴルにおける最新の研究状況に関する知見を得るとともに、必要な資料を手に入れることができた。また、内モンゴル大学では、日本におけるモンゴル史研究の現況について講演(「日本蒙古史研究近況」)を行い、現地の研究者と意見交換と研究交流を行うことができ、有意義であった。 さらに11月には、これまでの調査研究をもとに「2019年度内陸アジア史学会大会」(東北大学)において「蒙疆政権下における盟とその機能-オラーンチャブ盟を事例に」と題する報告を行った。ここでは、20世紀前半以降、内モンゴルにおいて、清代以来の伝統的な盟旗制度がどのように変化したのか論じたうえで、1930~40年代、内モンゴル西部においてどのような制度変革が試みられたのか検討した。これらの内容をさらに改善し、今後論文としてまとめる計画である。 なお、2018年11月に「国際モンゴル学会アジア大会(Asian Seminar Ⅱ of the International Association for Mongolian Studies in 2018 “Mongols in the 20th Century”)」において、近代内モンゴルの盟旗制度に関する諸問題について報告したが、これをまとめた論文(The establishment of the province and league-banner system in Modern Inner Mongolia、モンゴル語)がモンゴル国で刊行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文書史料の分析をある程度進めることができ、かつその裏付けとなる資料を収集することができたほか、調査研究に基づく構想を報告することができた。また、これらの研究成果について、学術論文として公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方針として、収集した文書史料の分析をさらに読み進め、論文の刊行に結びつけたい。また、海外調査が困難なことを見すえて、研究計画を一歩先に進め、1940年代以降の状況についても、分析を進めることも予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
書籍の代金など当初見込みと相違があり、若干の差額が生じた。
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