研究課題/領域番号 |
18K01726
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西牟田 祐二 京都大学, 経済学研究科, 教授 (90183897)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 第二次世界大戦期 / ドイツ・アメリカ経済関係 / ドイツ・日本経済関係 |
研究実績の概要 |
20世紀のアメリカとドイツの外交関係が対立・親和を相互に繰り返すことの原因・理由をとりわけ両国の経済的相互依存関係の角度から追跡する本研究目的にとって、米独の産業的相互依存関係と金融的相互依存関係の両者の分析が不可欠である。平成30年度においては、当初、金融的相互依存関係の分析を先行する予定であったが、なお産業的相互依存関係の分析にやり残しが見つかり、かつ産業的相互依存関係の具体的な対象についての重要資料がドイツ自動車企業ダイムラー社に所属するメルセデス=ベンツ・クラシック文書館に所蔵されているのが見つかった。それは当時のダイムラー=ベンツ社の「メルセデス=ベンツDB601航空機エンジン」の開発および生産に関する独米間の国際的技術交流の資料であった。さらに同航空機エンジンは第二次世界大戦期において日本企業がライセンス生産を行なっていたので、日独間の国際的技術交流も視野に入って来た。そこで、平成30年度においては、まずDB601航空機エンジンに関する国際的技術交流を示す資料を日本国内の国立国会図書館、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館、防衛研究所(戦史研究資料センター)、及び川崎重工業明石工場資料室において収集した後、ドイツ・シュツットガルト市にあるメルセデス=ベンツ・クラシック文書館において収集することを実行した。その結果、DB601航空機エンジンに関する独米間および日独間の国際技術交流を解明するための重要資料が多数収集された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
独米間の経済的相互依存関係のうち、産業的相互依存関係の分析を先行し、その後金融的相互依存関係の分析に進むことを意図しているが、産業的相互依存関係に関する重要資料が続々発見されている。また第二次世界大戦期の独米間の経済および技術関係のみならず、同時期の日独間の経済および技術関係が視野に入って来た。それ故独米および日独間の経済および技術関係の資料収集と分析を続けている。従って平成30年度から令和元年度にかけて、引き続き独米間とさらには日独間の産業的相互依存関係資料収集を行なうとともに金融的相互依存関係についての資料収集および分析に進むことになると予想される。
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今後の研究の推進方策 |
20世紀米独経済関係のうち産業的相互依存関係の継続的分析を続けるとともに令和元年度からは金融的相互依存関係に関する資料収集および分析を行なうため、本年度はドイツの公的文書館およびアメリカ国立公文書館において資料収集する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ予定通りの使用額であるが、1万円余りを翌年度に残すことになった。
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