本研究の目的は、近代中国における工業技術が、社会主義化などの政治的な変動を超えて継承されたことの解明にある。この集大成として令和6年度の研究成果公開促進費(学術図書)に『近代中国綿紡織業の変容』を申請することができた。同書は、中国近代綿紡織業の変容を技術者養成から説き起こし、近代中国紡織業のキャッチアップ構造の成立と、それによる紡織企業経営への影響、日中の同業団体の関係の変容までを体系的に論じた初めての専門書となるはずだったが、残念ながら不採択であった。今後は、令和7年度の研究成果公開促進費(学術図書)に再申請するとともに、民間財団への出版助成にも応募し、公刊を目指す。
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