研究課題/領域番号 |
18K01740
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岩間 剛城 近畿大学, 経済学部, 准教授 (30534854)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地域金融組織 / 長野県 / 蚕糸業 / 群小地方銀行 |
研究実績の概要 |
令和3年度においては、戦前期の日本国内における有力な蚕糸業地帯が存在した、長野県下で設立経営された地域金融組織に関連する、データの入力作業を引き続き行った。 平成30年度・令和元年度に長野県で行った資料調査により、確認できた群小地方銀行の営業報告書などに関する情報を元にした、データの入力作業を継続して行った。 またこれまでに購入をした、長野県下で設立経営されていた複数の群小地方銀行に関する、明治期の営業報告書および関連資料から得られた群小地方銀行に関する情報を元にした、データの入力作業についても、継続して行った。 さらに、入力したデータの一部を手がかりにして、オンラインで参加可能であった学会部会で研究発表を行った。地方金融史・地域経済史研究に関連する、複数のオンライン研究会にも出席した。戦前日本の地域金融組織を歴史的に検討するのに当たって、地方金融史・地域経済史の研究者によって現時点で展開されている分析手法や研究上の論点を、積極的に把握する事を目指した。 上記の学会部会での発表・研究会へのオンラインでの出席を通じて得られた情報・知見を参考にしつつ、主に営業報告書から得られた情報を手がかりにして、戦前期の長野県下において設立経営された群小地方銀行に関連する、データの入力を前年度に継続して行った。このデータ入力作業は、有力地方銀行の検討にとどまらずに、より小規模な地域金融組織の設立・経営の実態を明らかにする事により、戦前期の日本における金融の状況を、より歴史的・総合的に把握する事を目指すものである。また、本研究の今後のさらなる研究成果発表のために、必要不可欠な作業である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度においては、前年度の令和2年度に引き続き、長野県下の地域金融組織に関連する、明治期の営業報告書などの資料から新たに得られた情報を手がかりにした、データの入力作業を行った。 入力したデータの一部を元にして、オンラインで参加可能であった学会部会において、研究発表を行った。また、地方金融史・地域経済史に関連する複数のオンライン研究会にも参加し、群小地方銀行に関連するデータの入力および利用に関する、新たな知見を積極的に得る事を目指した。 しかしながら、新型コロナ感染症の影響により、長野県下および福島県下で設立経営された地域金融組織について、関連する資料調査を当初予定していた通りに、行う事ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の研究においては、平成30年度・令和元年度に行った、長野県において戦前期の地域金融組織に関する資料調査を可能であれば再開し、新たな情報の獲得を目指す。また、戦前期における長野県下の地域金融組織に関する、データの入力作業を継続する。 長野県下の地域金融組織については、小県郡で設立経営されていた地域金融組織に加えて、蚕糸業に関連して長野県下の他郡で設立経営されていた地域金融組織についても、営業報告書をはじめとする各種資料から得られる情報を手がかりとして、検討を行う事を目指す。研究が進展して可能な状況になった場合には、地方金融史・地域経済史に関連する学会ないし研究会での、研究成果発表を行う。 さらに、長野県下の地域金融組織に関する調査・検討と並行して、戦前期の日本国内における有力な蚕糸業地帯が存在した福島県においても、可能であれば資料調査を行い、戦前期における福島県下の地域金融組織に関連する、新たな情報を獲得する事を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により、当初予定していた資料調査を行う事ができなかった。また、研究成果発表を予定していた学会部会・研究会がオンラインでの参加となったため、当初予定していた学会・研究会への参加にともなう出張旅費が不要となった。 令和4年度には、資料調査を可能であれば再開する。さらに、必要に応じて学会・研究会への出張も行う。
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