研究課題/領域番号 |
18K01750
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
澤田 幹 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (10215915)
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研究分担者 |
橋場 俊展 名城大学, 経営学部, 教授 (10364275)
佐藤 飛鳥 東北工業大学, ライフデザイン学部, 准教授 (90513060)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 人的資源管理 / リテンション・マネジメント / 人材定着 |
研究実績の概要 |
2018年度は、2回の研究会(8月18日および3月1日)を開催し、リテンション・マネジメントに関する先行研究の整理ならびにアメリカおよび日本企業が人材調達・確保・育成等に関して抱える問題点と取るべき方向性についての情報交換、意見交換を行った。 その他、3名がそれぞれの役割分担に即して研究を進めたが、アメリカ企業の調査に関しては、訪問先企業のリストアップ等を進めたものの、先方の都合等もあり、残念ながら実現することができず、2019年度へ持ち越しとなった。また、日本企業の調査に関しては、大まかなリストアップはほぼ終了したので、今後は訪問時期や調査項目に関して先方と交渉を進めていくことを確認した。 研究成果としては、リテンション・マネジメントに直接的に関わるテーマでの業績は刊行に至らなかったが、研究代表者でもある澤田が自身の経験も踏まえて、「がん罹患者の仕事と治療の両立について:経営学の視点からの試論」と題する論考を『金沢大学経済論集」39巻2号(2019年3月発行)に発表した。これは、いわゆる「働く世代」のがん罹患者の相当数が、治療と仕事の両立を断念し、離職・退職に至っている現状を踏まえ、それが罹患者個人やその家族だけでなく、貴重な戦力を失うことになる企業側にとっても大きな損失となることに注目した論考であり、両立を支援する諸施策や配慮によって、離職者の数を減らすことを念頭に置いた人的資源管理の重要性に触れたものである。その意味で、本研究課題であるリテンション・マネジメントのいわば各論部分として位置づけられるものである。リテンション・マネジメントは幅広い領域にわたるテーマであるため、今後も、全体像、一般論としての考察のみならず、状況に応じて、このような各論にあたる考察にも光を当て、より実効性の高いモデル構築を目指していくことを、3名の間で確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究が当初計画よりやや遅れている要因としては以下の2点が挙げられる。 第一に、研究代表者である澤田が、2018年4月から6月にかけて、思いがけない長期入院とその後の療養を余儀なくされたことにより、研究のスタートそのものが遅れてしまったことである。 第二に、「研究実績の概要」でも触れたとおり、アメリカ企業の調査が、先方の都合等により、実現に至らなかった点である。このため、調査担当者である佐藤は、多くの経費を残す結果となってしまった。 ただ、先行研究の整理や日本の調査対象企業の選定等はほぼ予定通り行うことができており、「(4)遅れている」とまでは言えないものと自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、まず、佐藤が6月に札幌学院大学で開催される労務理論学会全国大会において、リテンション・マネジメントに関する先行研究のこれまでの整理をまとめて報告する予定であるので、これを踏まえて、アメリカおよび日本企業の調査(事例研究)を進めていく。なお、本大会の統一論題テーマは「人手不足下での労働問題と人事労務管理」であり、佐藤報告はその統一論題報告として位置付けられているので、学会会員からの多くのレスポンスが期待されるところである。 アメリカ企業の調査に関しては、昨年度の反省も踏まえ、質問項目等を若干見直し、先方が回答しやすい(リテンションの状況をアピールしやすい)ものに変更することにより、調査対象の幅を広げ、是非ともその実現を目指していく所存である。また、必要に応じて、現地の状況に詳しい研究者等の協力を仰ぐことも考えている。 その他の研究内容、方法等については、当初の予定通りで、大きな変更は今のところ考えていない。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたアメリカでの企業調査が、先方の都合等により実現できなかったことにより、そのために用意していた旅費が使えなかった。 2019年度は改めてアメリカ企業の調査を行うべく、現在その計画を入念に打ち合わせているところである。
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