研究課題/領域番号 |
18K01750
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
澤田 幹 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (10215915)
|
研究分担者 |
橋場 俊展 名城大学, 経営学部, 教授 (10364275)
佐藤 飛鳥 東北工業大学, ライフデザイン学部, 准教授 (90513060)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | リテンション・マネジメント / 治療と仕事の両立支援 / 人口減少社会 / 人的資源管理 |
研究実績の概要 |
今年度は、主としてアメリカにおけるリテンション・マネジメントに関する理論研究、先行研究を整理することによって、日本企業においても適用可能なモデル構築の準備を進めると同時に、人口減少に直面する日本社会・日本企業における今後の人的資源管理のあり方についての考察を行った。また、昨年度に引き続き、がんに罹患した従業員の約30%がそのまま退職してしまっているという現状を踏まえて、「がん治療と仕事の両立支援」について、積極的に取り組みを行っている国内企業へのインタビューを実施し、これを本研究課題の各論と位置付けたうえで、その現状と課題についての考察を深めた。 ただ、モデル構築の一助とすべく、リテンション・マネジメントの先進的取り組みを行っているアメリカ企業へのヒアリングを予定していたが、スケジュール調整等がうまくいかず、これを断念せざるを得ない結果となってしまった。 研究成果としては、澤田が1本の学術論文、佐藤が2本の学術論文と2回の学会報告(うち1回は国際学会における招待講演)を行った。他方、橋場は、1本の学術論文執筆を行ったものの、掲載予定だった著書(共著)の出版が諸般の事情により遅れてしまったため、今年度の業績としてはカウントできなくなってしまった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたアメリカ企業のヒアリング調査は実施できていないが、文献資料の収集と講読、メール等による4情報交換などによって、日本企業におけるリテンション・マネジメントのモデル化という最終目標に向けての準備は進みつつある。また、各論としての「治療と仕事の両立支援」に関しては、積極的にこれを展開している企業のヒアリングを3件行うことによって、相当程度その実態を明らかにすることができつつある。。
|
今後の研究の推進方策 |
懸案となっているアメリカ企業のヒアリングについては、新型コロナウィルスの感染拡大が続く中で、アメリカへの渡航そのものが困難になってしまっており、見通しが立たない現状である。引き続き、メールやSkypeを利用したインタビューの可能性は追求するが、予定していた企業側も、新型コロナウィルス対策等で余裕はない状態あり、先行きはきわめて不透明と言わざるを得ない。 そこで、これまでの方針を大きく転換して、国内企業の調査および文献・資料の精査・検討を中心とした研究へと切り替える予定である。また、そのための研究会を実施する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
アメリカ企業に対するヒアリング調査を実施できなかったため、これに予定していた費用がそのまま余剰する結果となってしまった。次年度は、コロナウィルス感染拡大による影響に鑑み、研究計画を大幅に修正し、国内企業調査および文献・資料の精査と検討を中心とした研究継続を予定しており、余剰額はこれにあてていく。
|