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2019 年度 実施状況報告書

ビジネス企画・技術・クリエイティブ職種間の異分野協働の創造プロセス

研究課題

研究課題/領域番号 18K01759
研究機関首都大学東京

研究代表者

竹田 陽子  首都大学東京, 経営学研究科, 教授 (80319011)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード創造的成果 / 創造プロセス / 技術者 / 視点取得 / 多様性 / メタファー / アナロジー
研究実績の概要

本研究は、今までにない製品・サービス・ビジネスモデルを生み出そうとする状況において、ビジネス企画・技術・クリエイティブの3職種の発想と行動のパターン、組織における位置づけの違いに焦点をあてることで、場創発型の異分野協働を効果的に出現させ、新しい付加価値を生み出すメカニズムを解明することを目的としている。本年度の着眼点は、異なる認識・思考・行動の様式に触れることによって、他者の視点を取得する視点取得(竹田, 2018; Boland & Tenkasi, 1995; Bechky, 2003)、および、他のモノゴトに置き換えて考えるメタファーや、一見関係なさそうなモノゴトに共通点を見つけて類推するアナロジー(Finke, et al., 1992; Lakoff, 1993; Gibbs, 1994) が人間の創造的行為と深く結びついている可能性である。これらヒトやモノ、コトを置き換える思考と表現を視点置換と呼び、視点置換とチームの多様性がチームの創造的な成果にどのように関わるかを、企業勤務の技術者306人の質問紙調査の結果を分析した。
チームの多様性および視点置換と、インタラクション密度、リーダーシップの強さ、チーム内の信頼といったチームプロセス変数が成果の新奇性に与える影響を回帰分析するとチーム多様性だけが有意ではなかった。チーム多様性、視点置換、チーム成果の新奇性の3変数について媒介分析をおこなった結果は、チーム多様性の新奇性に対する効果の4分の3程度が視点置換を介した間接効果であった。
これらの結果から、視点置換はチームの創造的成果に直接効果がある一方で、チームの構成員の多様性は、視点置換を媒介して創造的成果を間接的に向上させると考えられる。竹田(2018)が示唆するように、チーム内の多様性を創造的成果につなげるためには、視点置換を促進することが鍵であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

視点置換とチームの多様性がチームの創造的な成果にどのように関わるかを、前年度に実施した調査票調査のデータによって検証した。また、このデータで得られた知見と、さらなる理論研究をすすめ、事業企画と技術開発に関する新たな調査票を設計し、調査を実施した(n=800)。

今後の研究の推進方策

前年度に実施した事業企画と技術開発に関する調査票調査のデータを分析し、学会発表、論文執筆をおこなう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 視点置換と多様性がチームの創造的な成果に与える影響2019

    • 著者名/発表者名
      竹田陽子
    • 雑誌名

      Transactions of the Academic for Organizational Science

      巻: 8(1) ページ: 128-133

    • DOI

      https://doi.org/10.11207/taaos.8.1_128

    • 査読あり
  • [学会発表] 視点置換と多様性がチームの創造的な成果に与える影響2019

    • 著者名/発表者名
      竹田陽子
    • 学会等名
      組織学会

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公開日: 2021-01-27  

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