令和3年度は、コロナウィルスの終息を期待し、これまでに実施する計画を立てていた国内・国外の金型関連企業に対するフィールドワークを本格的に再開する予定であった。ところが、一部の企業に対してオンライン会議ツールを用いたフィールドワークを行えたものの、昨年度と同様、今年度も文献研究を中心に進めざるを得なかった。そのため、令和3年度は、日本のサポーティング・インダストリーを中小企業・サプライヤーとして広く解釈し、既存研究の整理・検討から競争力を考察することを試みた。また、基盤産業を利用する側の視点からポーティング・インダストリーの競争力が如何なるものかを模索した。具体的に述べれば、前者の研究成果では、学術図書1冊(藤川健[2022]「日本の分業システムと中小企業―サプライヤーシステム研究を中心に―」関智宏編著『中小企業研究の新地平:中小企業の理論・経営・政策の有機的展開』同友館)として刊行した。それに対し、後者の研究成果は、報告書1冊(藤川健[2022]「自転車部品製造企業の技術的な発展方向に関する考察」一般財団法人自転車産業振興協会『「自転車産業ビジョン」調査研究事業 2021年度報告書』)として発表した。
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