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2022 年度 実施状況報告書

ブラジル金型産業の再評価

研究課題

研究課題/領域番号 18K01768
研究機関法政大学

研究代表者

馬場 敏幸  法政大学, 経済学部, 教授 (00359663)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード自動車産業 / サポーティング産業・裾野産業 / 金型産業 / グローバルバリューチェーン(GVC) / 新型コロナ / ブラジル / 中国 / 日本
研究実績の概要

2022年度は新型コロナウイルス感染症の拡大が金型産業の主要ユーザーである自動車産業へ与える影響と、リーマンショック時の影響についての比較分析を行った。世界の自動車生産について世界の自動車産業の新型コロナ禍による影響は歴史的にも大きなものになったことが判明した。2000年以降2020年までの世界の自動車生産を見るとおおむね増加トレンドである。2000年の5837万台から新型コロナ前の2019年の9179万台へと大きく拡大した。一方、そうした増加トレンドの中で大きな生産の落ち込みが2時点見られる。リーマンショック・世界金融危機時の2009年と新型コロナ禍時の2020年であった。何年前の自動車生産の水準に後退したかについて分析すると、リーマンショック時は6年前の水準に、そして新型コロナ禍では10年前の水準に後退したことが判明した。次に、主要自動車生産各国について新型コロナ時とリーマンショック時の生産減退について分析を行った。自動車生産トップ10国についてみると、リーマンショック時には影響が大きかった国、影響が小さかった国が大きく分かれているのに対し(分散0.0552)、新型コロナでは影響が一様に表れている(分散0.0098)違いがあると判明した。次に、新型コロナの影響が大きかった国(ブラジル、フランス)、影響が少なかった国(中国)および日本について詳細にケーススタディを行い、新型コロナ禍によるそれらの国の自動車産業への影響について分析を行った。さらに新型コロナ禍への自動車のグローバルバリューチェーン(GVC)についても詳細に分析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度の研究で新型コロナ禍が世界の自動車産業に与えた影響について、リーマンショック時と比較研究し、両危機が自動車産業に与えた影響の特質と違いについて詳細に分析を行った。また自動車産業では世界自動車主要生産国約30数国について分析し、特にトップ10国について特に詳細に分析した。両危機の影響の大きさにより、「グループ1悪影響大」、「グループ2世界平均並み」「グループ3悪影響小」の3グループに分類し、それぞれ違いを考察した。自動車部品のGVCについては世界自動車部品輸出入全国(約300国)すべてについて分析を行い、特に自動車部品輸出入トップ10国について詳細に分析を行った。分析結果については日本国内、海外の学会にて報告を行った。

今後の研究の推進方策

2023年度については、新型コロナ禍がブラジル、日本を含め、世界の自動車業界にどのような影響を与えたのか、そして危機に対しどのような強靭な経営戦略があるのかを中心に分析を行いたいと考えている。またカシアス・ド・スルの金型企業への現地調査から、ブラジル金型企業がポルトガルの金型技術を学んだことが判明した。ブラジル金型産業の発展の源流の一つとして、ポルトガルの金型産業についても調査研究を行いたいと考えている。そして、これらの研究成果については国内外の学会・専門誌などで広く公表していきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

2022年度については新型コロナ禍により海外調査・国内調査がほぼできなかった。また学会発表は感染対策によりオンラインで実施された。これらの事情により2022年度の科研使用については延長を行った。2023年は日本で新型コロナのカテゴリーがインフルエンザ相当の5類に変更されるなど、新型コロナによる研究への影響がかなり軽減されると考えられる。そこで2023年度においては、国際学会での研究実績の報告、現地訪問によるケーススタディ実施なども検討したい。また、出張時に用いているMicrosoft Surfaceが劣化してきたため更新も検討したいと考えている。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 新型コロナ禍から考える強靭なMOT戦略: 自動車産業のケーススタディより2023

    • 著者名/発表者名
      馬場敏幸
    • 雑誌名

      日本MOT学会 第14回 年次学術大会 講演予稿集

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] 新型コロナの衝撃5:新型コロナの日本自動車産業への影響(2020年)2023

    • 著者名/発表者名
      馬場敏幸
    • 雑誌名

      型技術

      巻: 38-1 ページ: 106-107

  • [雑誌論文] 新型コロナの衝撃6:新型コロナの日本自動車産業への影響(2021年)2023

    • 著者名/発表者名
      馬場敏幸
    • 雑誌名

      型技術

      巻: 38-3 ページ: 106-107

  • [雑誌論文] The Impacts of the COVID-19 Pandemic on Automobile Production and the Global Value Chain of Automotive Parts2022

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki BABA
    • 雑誌名

      Conference Paper, 30th International Colloquium of Gerpisa

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 新型コロナウイルス(COVID-19)による自動車産業への影響分析:リーマン・ショックとの比較分析2022

    • 著者名/発表者名
      馬場敏幸
    • 雑誌名

      研究・イノベーション学会 第37回 年次学術大会 講演予稿集

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] ブラジル金型の郷・ジョインヴィレ物語7: 樹脂成形用金型か金属プレス用金型か?2022

    • 著者名/発表者名
      馬場敏幸
    • 雑誌名

      型技術

      巻: 37-5 ページ: 106-107

  • [雑誌論文] 新型コロナの衝撃1:コロナ禍で自動車市場への影響の大きかった世界、不思議に影響が小さかった中国2022

    • 著者名/発表者名
      馬場敏幸
    • 雑誌名

      型技術

      巻: 37-7 ページ: 134-135

  • [雑誌論文] 新型コロナの衝撃2:新型コロナウイルスに断固として立ち向かったフランス2022

    • 著者名/発表者名
      馬場敏幸
    • 雑誌名

      型技術

      巻: 37-9 ページ: 106-107

  • [雑誌論文] 新型コロナの衝撃3:同国自動車産業の祖、フォード撤退にまでおよんだブラジル2022

    • 著者名/発表者名
      馬場敏幸
    • 雑誌名

      型技術

      巻: 37-11 ページ: 108-109

  • [学会発表] 新型コロナ禍から考える強靭なMOT戦略: 自動車産業のケーススタディより2023

    • 著者名/発表者名
      馬場敏幸
    • 学会等名
      日本MOT学会
  • [学会発表] The Impacts of the COVID-19 Pandemic on Automobile Production and the Global Value Chain of Automotive Parts2022

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Baba
    • 学会等名
      GERPISA
    • 国際学会
  • [学会発表] 新型コロナウイルス(COVID-19)による自動車産業への影響分析:リーマン・ショックとの比較分析2022

    • 著者名/発表者名
      馬場敏幸
    • 学会等名
      研究・イノベーション学会

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公開日: 2023-12-25  

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