研究課題/領域番号 |
18K01772
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
九里 徳泰 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (90338658)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 女性の社会進出 / 持続可能性経営 / ESG投資 / 企業パフォーマンス / 企業評価 / CSR |
研究実績の概要 |
研究4年目は、昨年度の研究計画の学術的「問い」3.企業における女性活躍の研究を進めた。先行研究、Dezso and Ross (2012)では、企業の組織論的なアプローチから分析を行っていて、トップマネジメントにおける女性の存在が、社内管理職の機能と女性中間管理職のモチベーションを高め、その結果、トービンのQ、ROA,ROEも向上するかを分析しプラスの効果であると報告している。この検証を定量的、定性的に行う計画であったが、コロナ禍によりヒアリングが実施できなかった。しかし、この間、社会と企業でのSDGsの普及が図られ、SDGsのS(社会)要素が重要視されるようになり、企業においてSDGsの目標5.女性活躍が推進されている。SDGsにおける女性の社会進出の妥当性を検証する、SDGsデータベースと解析手法を構築し企業毎に検証する研究を実施し2021年5月に「Value PropositionとSDGsの関係性の検証プロセス研究―企業活動がSDGsウオッシングとならないように―(環境経営学会研究報告要旨集収録)」という研究発表を行った。今後、継続して日本企業の女性の社会進出「指標」を独自に構築し、統計的な分析を行い日本の女性取締役と企業パフォーマンスの影響経路を明らかにしたい。また、本研究の最終目的であるが、日本企業における女性の社会進出を活発化させ、達成できなかった政府目標である2020年までに指導的女性比率30%という目標を達成するには企業がどのようなビヘイビア(振舞い)が必要かを明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3つの研究計画の1、2を達成しているが、2020年2月以降の国内、海外での調査が新型コロナウイルスの世界的拡大により未実施である。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍により研究期間4年目の研究課題を完成することができなかった。研究期間を延長し、学術的「問い」3.企業における女性活躍の企業における影響経路を明らかにするために、女性の労働参加と企業での影響経路に関する分析を定量的、定性的に調査をし、精緻な理論構築をしたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によりヒアリング実施、国際会議に出席できなかったため旅費が未執行となった。今後、国際会議に出席するための旅費、ヒアリングの人件費・謝金を執行する計画である。
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