研究課題/領域番号 |
18K01773
|
研究機関 | 松本大学 |
研究代表者 |
兼村 智也 松本大学, 総合経営学部, 教授 (70367548)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 中小企業 / 海外進出 / 新事業展開 / 東アジア / 技能実習生 / 経営資源 / 技術 |
研究実績の概要 |
三年間の中間年にあたる令和元年度では、初年度で明らかにした主張をより強固のものにするため、また新しい知見発見のための企業インタビュー調査、データ収集を行った。その一環として2019年12月、ミャンマーに進出しながら国内とは異なる事業を現地で手掛ける日系中小企業への調査を実施した。具体的には電子部品製造で進出した企業が現地でデータ入力の受注サービス業に進出していたり、国内では鋼材商社である企業が現地で鋼材加工(製造業)に進出したりするケースなどが明らかになった。ミャンマーでは、これらの進出分野が大きな市場規模になっていないこと、そのため同分野を担う企業がまだみられていないこともあり、これら企業による新事業展開は先行投資といえる。 その点、進出分野でいえば初年度研究でみたフィリピンと同様のケースといえるが、ここで新たな知見が得られたのは、新事業に必要な技術・ノウハウの調達についてである。初年度研究では需要先からの指導に加え、国内で手掛ける、海外展開していない事業者からの協力(調達)であることを指摘したが、ここでは日本で当該技術・ノウハウを学習し、帰国した技能実習生がその担い手になっていることである。要は必要な技術・ノウハウも現地で存在しており、そこからの調達が可能になっている。この背景には折角、日本で技術を学習しながら帰国してもそれを活かす「受け皿」がないことがある。そうした未活用の資源(技能実習生)へのアクセスは国内での顧客先などからの情報であることも明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年初から発生した新型コロナウィルスの関係で同年春に予定していた国内外の企業調査が敢行できなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
「研究実績の概要」でも記したように、新事業に必要な技術・ノウハウの担い手が外国人(技能実習生)であることが明らかになった。この技能実習生を核とした海外進出の可能性について検証してみたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年初から発生した新型コロナウィルスの関係で同年春に予定していた国内外の企業調査が実行できなかったため。その持ち越し分を含め、2020年度では国内外の調査活動を実施していく予定。
|