本研究は当初想定した通りの研究成果を得ることができなかった。その原因は、研究の方法として設定していた複雑すぎる実証分析にあった。構成概念スコアをもとにした共分散構造分析や重回帰分析を多用する分析手法を想定していたが、うまくいく場合とそうでない場合があり、ロバストネスを担保した研究成果を見出すことができなかった。 これは、研究者の実証分析の力量の問題かもしれないが、そもそもの研究の視点が現実をうまく捉えられていない可能性も排除できず、いずれにしても誤った情報を発信することを避けるためにもうまくいっている部分だけを公表するようなことは避けることとした。それ故に主な成果となるものはないが、付随する研究成果と、その経験に立脚した新たな視点からの研究を開始するに至ることはできた。新たな研究は本研究代表者が研究代表者となった基盤研究として2023年度に開始している。この研究やそれに続く研究によって、近い将来に取締役会が企業業績を向上させるメカニズムが解明されるかもしれない。付随する研究成果についての詳細については本研究課題の成果物として公表されており、それらを参照されたい。 本研究は研究課題の解決自体には至らず、それを次へとつなげるものとなったが、その意味では研究課題を解決する土台となっている。 なお、2023年度においては上記の結論を得るとともに、付随する研究成果を得ることができ、付随する成果についてはそれぞれ発表済みである。
|