• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

デザイン先行型の製品開発におけるボトルネックとその克服方法

研究課題

研究課題/領域番号 18K01775
研究機関京都産業大学

研究代表者

森永 泰史  京都産業大学, 経営学部, 教授 (10405649)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード分業 / 属人的 / 発掘と割当 / 自主提案 / スラックの創出
研究実績の概要

最終年度に当たる2021年度は、本研究の目的である開発タイプごとに有効なマネジメントの中身の解明に取り組んだ。
まず、特定の個人や部署に提案を義務付け、発案させる分業型では、担当者の人選について様々な工夫がなされていた。例えば、デザイン・コンペを実施して候補者を選別する、デザイン部門内に適任者を選抜するための人事評価の仕組みがある(あるいは、インフォーマルな形で日常業務や日常会話の中で適任者に目をつけるようにしている)、本人のやる気を重視して先行開発部門への立候補制を採用している、などである。このように人選が大事な理由は、デザイン先行型開発は、極めて属人的な仕事になる場合が多いからである。そのため、仕事を割り当ててから育成するのではなく、それ以前に有望株を「発掘」しておき、その人を「割り当」てるマネジメントが必要になるのである。
一方、先行開発の責任者以外の個人やチームによる提案を促す自主提案型では、デザイナーが主体的にアイデアを生み出したり提案したりできるよう、ヒト・モノ・カネのスラック(余剰)を生み出すための様々な工夫が施されていた。具体的な余剰人員作りのための取り組みの一つとして、歴代のデザイン部門管理職によるデザイナーを一カ所に集めるための努力や組織規模拡大に向けた努力などが挙げられる。もともと人数の少ないデザイナーが事業部門ごとに管理されてしまうと、各現場では極めて少ない人数でデザインの開発業務に当たらなければならず、デザイナーの消耗が激しくなるからである。さらに、余剰資金捻出に対する様々な工夫も見られた。しかし、中には、せっかく生み出した余剰時間をその作業によって奪われる悪循環も見られた。例えば、デザイン部門予算のカット→デザイン先行型開発のための資金不足→派遣社員数を絞ることによる資金の捻出→本社社員が派遣社員分の仕事まで請け負う→余剰時間の減少などである。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (8件) (うちオープンアクセス 8件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日本の電機企業のデザイン開発事例の収集と全体像の提示2021

    • 著者名/発表者名
      森永泰史
    • 雑誌名

      京都マネジメントレビュー

      巻: 40 ページ: 65-94

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 資料1 パナソニックのデザイン開発事例リスト2021

    • 著者名/発表者名
      森永泰史
    • 雑誌名

      京都産業大学ディスカッションペーパーシリーズ

      巻: 2021‐1 ページ: 1‐23

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 資料2 ソニーのデザイン開発事例リスト2021

    • 著者名/発表者名
      森永泰史
    • 雑誌名

      京都産業大学ディスカッションペーパーシリーズ

      巻: 2021-2 ページ: 1-18

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 資料3 シャープのデザイン開発事例リスト2021

    • 著者名/発表者名
      森永泰史
    • 雑誌名

      京都産業大学ディスカッションペーパーシリーズ

      巻: 2021-3 ページ: 1-12

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 資料4 日立製作所のデザイン開発事例リスト2021

    • 著者名/発表者名
      森永泰史
    • 雑誌名

      京都産業大学ディスカッションペーパーシリーズ

      巻: 2021-4 ページ: 1-16

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 資料5 東芝のデザイン開発事例リスト2021

    • 著者名/発表者名
      森永泰史
    • 雑誌名

      京都産業大学ディスカッションペーパーシリーズ

      巻: 2021-5 ページ: 1-11

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 資料6 三菱電機のデザイン開発事例リスト2021

    • 著者名/発表者名
      森永泰史
    • 雑誌名

      京都産業大学ディスカッションペーパーシリーズ

      巻: 2021-6 ページ: 1-12

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 資料7 キヤノンのデザイン開発事例リスト2021

    • 著者名/発表者名
      森永泰史
    • 雑誌名

      京都産業大学ディスカッションペーパーシリーズ

      巻: 2021-7 ページ: 1-9

    • オープンアクセス
  • [学会発表] デザイン、アート、イノベーション:デザイン、アート研究の系譜と課題2021

    • 著者名/発表者名
      森永泰史
    • 学会等名
      日本マーケティング学会
    • 招待講演
  • [学会発表] デザイン、アート、イノベーション:経営学から見たデザイン思考、デザイン・ドリブン・イノベーション、アート思考、デザイン態度2021

    • 著者名/発表者名
      森永泰史
    • 学会等名
      研究・イノベーション学会
    • 招待講演
  • [図書] イノベーション入門:基礎から実践まで2021

    • 著者名/発表者名
      具承桓・森永泰史
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      新世社
    • ISBN
      978-4883843374

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi