先行研究には、デザイン先行型開発の重要性を指摘するものは多いが、そのマネジメントに関する議論は不在のままである。そこで、本研究では、日本の大手電機企業7社を対象に、一次資料と二次資料を用いて80件のデザイン先行型開発事例を収集し、そのマネジメントの要諦を明らかにした。その結果、デザイン先行型開発には、特定の個人や部署に提案業務を割り当てる義務提案型と自主研究をはじめとする自主提案型の2種類があり、義務提案型では担当者の人選が重要になることや、自主提案型ではスラックを生み出すための組織的な取り組みが重要になることなどが明らかになった。
|