研究実績の概要 |
本研究課題の「研究目的」は,公的ベンチャーキャピタルの育成及び呼び水効果の解明である.公的ベンチャーキャピタル施策は, 事業資金に苦しむ新技術ベンチャー(New Technology Based Firms)に直接投資を行うことで,その成長を支援すると共に, ハイリスクとして敬遠されがちな新技術ベンチャー投資に民間ベンチャーキャピタル等を呼び込むことを政策目標としている.本研究課題の核心をなす学術的「問い」は,公的ベンチャーキャピタル施策の検証,すなわち,以下の2つのリサーチクエスチョンである. リサーチクエスチョン1 公的ベンチャーキャピタルは,新技術ベンチャーを育成しているのか(育成効果). リサーチクエスチョン2 公的ベンチャーキャピタルは,新技術ベンチャー投資に民間ベンチャーキャピタルを呼び込んでいるのか(呼び水効果). 本年度は、コロナウィルスの世界的な流行に伴う移動制限により,予定していた国内,海外フィールドワークを次年度以降に繰り越す事となった.これをポジティブな機会と捉え,公的ベンチャーキャピタルに関するサーベイを充実した.また,本論文の研究の視点を広げることとした.すなわち,育成される側の新技術ベンチャー,さらに,公的ベンチャーキャピタル施策が呼び込む対象とする民間ベンチャーキャピタル及びビジネス・エンジェルにも研究対象を広げた.こうした研究成果の一部は,国内外のジャーナル等に投稿したが,現状レビュープロセスの段階である.
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