研究実績の概要 |
本研究課題の研究目的は,「公的ベンチャーキャピタルの育成及び呼び水効果の解明」である.公的ベンチャーキャピタル施策は, 事業資金に苦しむ新技術ベンチャー(New Technology Based Firms)に直接投資を行うことで,その成長を支援すると共に, ハイリスクとして敬遠されがちな新技術ベンチャー投資に民間ベンチャーキャピタル等を呼び込むことを政策目標としている.本研究課題の核心をなす学術的「問い」は,公的ベンチャーキャピタル施策の検証,すなわち,以下の2つのリサーチクエスチョンである. リサーチクエスチョン1 公的ベンチャーキャピタルは,新技術ベンチャーを育成しているのか(育成効果). リサーチクエスチョン2 公的ベンチャーキャピタルは,新技術ベンチャー投資に民間ベンチャーキャピタルを呼び込んでいるのか(呼び水効果). 本年度は、コロナウィルスの世界的な流行に伴う移動制限等に伴い,公的ベンチャーキャピタルに関するサーベイをより充実させると共に研究アプローチを大胆に変更することを試みた.研究活動の一部は、桐畑哲也「官民シンジケーションベンチャーキャピタル投資による投資先業績への影響」 『立命館経営学』60(5),2022年1月 pp. 69-90.において発表済である.また,Kirihata Tetsuya, The impact of mixed syndication between government and private venture capital on investees in Estonia, Journal of Asian Business and Economic Studies.において発表される予定である.
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