研究実績の概要 |
本研究課題の研究目的は,「公的ベンチャーキャピタルの育成及び呼び水効果の解明」である.公的ベンチャーキャピタル施策は,事業資金に苦しむ新技術ベンチャー(New Technology Based Firms)に直接投資を行うことで,その成長を支援すると共に,ハイリスクとして敬遠されがちな新技術ベンチャー投資に民間ベンチャーキャピタル等を呼び込むことを政策目標としている.本研究課題の核心をなす学術的「問い」は,公的ベンチャーキャピタル施策の検証,すなわち,以下の2つのリサーチクエスチョンである. リサーチクエスチョン1 公的ベンチャーキャピタルは,新技術ベンチャーを育成しているのか(育成効果). リサーチクエスチョン2 公的ベンチャーキャピタルは,新技術ベンチャー投資に民間ベンチャーキャピタルを呼び込んでいるのか(呼び水効果). 本年度は、エストニアにおける公的ベンチャーキャピタルの研究について,査読付きジャーナルに投稿,採択された.また,成長初期かつハイテクを特徴とする新技術ベンチャー投資において,民間ベンチャーキャピタルを補完する存在として,公的ベンチャーキャピタルと並んで着目されているビジネス・エンジェルについての研究についても,査読付きジャーナルに投稿,採択された.研究活動の一部は、Kirihata Tetsuya, Contribution of business angel investments: evidence from Estonia, Journal of Capital Market Studies Vol. 6, 2022, 及び,Kirihata Tetsuya, The impact of mixed syndication between government and private venture capital on investees in Estonia, Journal of Asian Business and Economic Studies Vol. 29, 2022として発表した.
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