• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

企業合併と金融危機後のドイツ企業の人的資源管理の変化に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01786
研究機関東北大学

研究代表者

石塚 史樹  東北大学, 経済学研究科, 准教授 (40412548)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード人的資源管理 / 企業統治 / 労使関係 / 人事労務管理
研究実績の概要

当該年度については、3月にドイツでの現地調査を実施した。この時の調査成果は、以下のようにまとめられる。Aldi社、Siemens社及びエヴォニーク社において、3月4日から4月2日までの間に、マネージャーの利益代表に対するインタビュー並びに文書館調査を実施する計画であった。渡航直後に、コロナウィルスの影響により、ジーメンス社における調査先からの、アポイントメントのキャンセルの通知を受けた。Aldiについても同様である。エヴォニーク社では、文書館における調査だけは、3月20日まで継続することができ、2000年代まで同社に勤務したマネージャーの労働条件と、これを規定することとなった、労使協議制を通じた企業内共通ルールを検出することができた。これにより、特に従業員としての身分が他の被用者とは異なる扱いを受ける国内外の子会社の社長、およびマネージャーの最下層を構成する、たたき上げ身分の者(例えば職長層など)の人的資源管理の実態が大いに沖らかとなった。加えて、秘書身分を有する従業員が、マネージャーと同様の扱いを受けていることも明らかとなったことは、大きな成果であった。一方、勤務先大学からの帰国要請に基づき、調査計画を短縮する必要が生じたため、3月22日の帰国便にて、帰国することとなった。これまでの成果の公表に関わる活動については、Aldi社について、同年中の中間的な成果を反映させた論文を3月中に完成させ、4月に論文集として刊行することになった。また、2019年12月には、現代ドイツ経済をテーマとした、共著である教科書の慣行を達成できたことも、大きな成果として特筆できる。大きな問題は、コロナウィルスの影響が世界的となり、人の移動が大きく制約され、今後の展開が読めないことにある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

上記の通り、コロナウィルスの影響により、現在の勤務先からの早期帰国要請を受け、また、同じ理由により、いくつかの企業の調査先よりアポイントを取り消されたことにより、実質的に今年度予定していた調査を完全に遂行することができなかったため。

今後の研究の推進方策

研究計画の遅れ自体は、当初の研究計画期間内に取り戻すことは、可能であると思われる。ただし、その前提は当然ながら、コロナウィルスに関わる世界的な状況が、今後改善に向かうこと、そして、国内における学会を中心とする学術的交流の機会が、元の状況に戻ることである。これが満たされれば、アレンジの仕方はあるが、現状では、今後のコロナウィルスに関わる状況の展開が予測できないことが、大きな問題となっている。

次年度使用額が生じた理由

2019年9月に当該科研費で予定していた海外現地調査に関わる出張を、他の科研費の研究プロジェクトを遂行する上での緊急の出張を優先したために、実施できなかったため。いずれにしても、今年度内に予定している出張と、研究遂行に必要な物品の購入により、残額は研究期間内に使用するつもりである。ただし、コロナウィルス禍の状況を注視する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 図書 (1件)

  • [図書] ドイツ経済2019

    • 著者名/発表者名
      藤澤 利治、工藤 章
    • 総ページ数
      394
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      978-4-623-08637-5

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi