研究課題/領域番号 |
18K01786
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石塚 史樹 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (40412548)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 人的資源管理 / 企業統治 / 労使関係 / 人事労務管理 |
研究実績の概要 |
昨年3月までは研究計画において重要な位置を占めていたドイツ国内での調査活動が順調に進展し、金融危機後の時期における企業間合併と新しい人的資源管理システムの形成との関係に関する、重要な事実関係の発見と、これより導き出された、当該テーマに関するいくつかの重要な理論モデルの提示に成功することとなった。しかるに、昨年3月の途中にコロナ禍を理由として、調査活動を中断して帰国せざるを得なくなり、昨年9月、および今年3月に予定していた現地調査も見送らざるを得なくなった。このため、2020年度は、現地調査に基づく質的なデータの収集を行うための研究活動を一時中断し、ドイツ語の調査報告書の、すなわち二次文献の徹底したサーベイに基づく研究スタイルに切り替え、その重心も、現地に埋め込まれた質的な情報より浮かび上がる変化の分析から、調査報告書より得たデータ、およびこれまでの現地文書調査で得た量的なデータの解析による、変数間の関係の確認作業に移ることとなった。これにより、限定された数の企業における「成果主義」の実態についての新しい像を得、これを学術論文一本として結実させることに成功した。また、これまでの調査により得た理論モデルを、国内学会の全国大会で報告し、フロアからの好意的な反応を得た。さらに、研究対象の幅を、大企業のみならず、中小企業にまで広げることになった。これにより、外部の研究機関の要望が高かった、ドイツの中堅企業の競争力に関する知見を、人的資源管理という側面から提供することができ、好評を得ることとなった。このように、本来の調査計画を部分修正する形で、遅れを伴いつつも、研究計画の進展を図ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該研究は、ドイツにおける現地調査が必要不可欠かつ中核的な研究活動の構成要素となっている。しかるに、昨年以降継続するコロナ禍により、日独間の渡航が事実上不可能となり、これにより昨年3月以降の現地調査が中断することとなった。従って、本研究計画の遂行には現在、大きな遅延が発生している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、日独両国におけるワクチンの普及により、コロナ禍の事態の改善が期待されるため、現地調査を再開し、相当な密度で研究計画を遂行することで、研究の遅れを取り戻せることが期待される。また、ドイツの各研究機関より集計された形で入手できる、現場から引きはがされた性格のデータセットも積極的に活用し、仮説を指示する材料として補完的に用いることで、また、昨年度内に進展したオンラインを通した会談などの形を情報源として補完的に用いることで、本来期待された研究成果を実現していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、調査活動の中核をなすドイツでの現地調査が中断し続けたため。
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