研究課題/領域番号 |
18K01792
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
早乙女 周子 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (00447963)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | バイオベンチャー / アライアンス / 特許 / 産学連携 |
研究実績の概要 |
申請者は、1990年から1995年に設立された米国の創薬バイオベンチャー123社を対象に調査を進めており、年間パテントファミリー数が、倒産グループ、経営継続グループ、他のバイオベンチャーに買収された(M&A (Biotech))グループ、大手製薬企業に買収された(M&A (Pharma))グループの順に多いことを既に明らかにしている。本研究では、当該バイオベンチャーの特許出願情報から、各グループのアライアンスの違いについて検討を行い、事業結果との関連について考察を行うものである。 2018年度は、123社の共同出願の分析を完了させた。書誌情報の結果から、出願人数、発明者数、共同出願割合についてグループ間に差はなかったものの、共同出願割合は、創業5年間の方が全期間より高い傾向が見られた。共同出願相手先について検討したところ、どのグループにおいても大学の占める割合が最も高かった。一方、倒産グループは、製薬企業、ベンチャーとの共同出願がそれぞれ5%程度であったのに対し、継続グループ、M&Aグループでは製薬企業の共同出願が約30%、ベンチャーの共同出願が10%~30%を占めており、倒産グループにおいて顕著に民間企業との共同出願が少ない傾向が見られた。 次に請求項の分析を行い、発明の内容の違いについて検討を行ったところ、倒産グループでは治療方法の発明が多く、医薬物質、スクリーニング方法の発明が有意に少なかった。継続グループ、M&Aグループでは、製薬企業との共同出願において医薬物質の発明を多く行っていた。 以上の結果から、バイオベンチャーにとって大学との連携は重要であるものの、民間企業とのアライアンスを行うことも必要であると考えられる。すなわち、創薬の上流から下流までをカバーするようなアライアンスをすることがバイオベンチャーの事業にとって重要である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度は、特当初予定した通り、特許出願を対象とした分析を完了させることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
特許出願分析は完了したため、予定どおり、企業情報のデータベース構築作業を行う予定である。これを推進するため、研究補助の人員を確保する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は分析補助の人員が確保できなかったため人件費が発生しなかった。来年度のデーターベース構築には、データーベース作成補助の人員を確保する予定であり、次年度に使用する計画である。
|