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2023 年度 実施状況報告書

海運業界における運航自動化が社会ネットワークに及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 18K01794
研究機関神戸大学

研究代表者

藤川 なつこ  神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (30527651)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2025-03-31
キーワード社会ネットワーク / 経営組織 / リスクマネジメント / 組織事故 / 高信頼性組織 / 高信頼性ネットワーク / 自動化 / 技術経営
研究実績の概要

本研究は、社会ネットワークの関係構造が事故の防止あるいは発生に及ぼす影響に焦点をあて、海運業界における運航自動化の進展が社会ネットワークの関係構造に及ぼす影響を解明すべく研究を進めている。
研究実施の6年目である2023年度は、2022年度までの研究をもとに社会ネットワークにおける安全と信頼のマネジメントについて探究することで、自動化が社会ネットワークにもたらす影響ならびにそのリスクについて解明を進めた。
2023年度の主要な研究実績として次の3点があげられる。第1に、企業のCSR活動に与える影響を企業が採用するビジネスモデルおよび業界の同型化圧力の視点から分析した研究が、日本経営診断学会論集第23巻に論文掲載されるという研究成果に繋がった。第2に、組織の信頼性と正当性の概念を統合的に考察し、技術的環境への適応と制度的環境への適応を組織が両立する必要性を提示した研究が、愛知学院大学論叢経営学研究第33巻に論文掲載されるという研究成果に繋がった。第3に、単一組織だけでなく、高信頼性ネットワークを構築し、事故リスクを社会ネットワークでマネジメントする必要性を検討した研究が、2024年度組織学会年次大会での学会発表という研究成果につながった。
以上のように、2023年度の研究を通じて自動化の進展が技術を管理する安全性ならびに環境と技術がもたらすリスクを管理する信頼性に対してどのような影響をもたらすのかについて解明を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、2022年度までの研究をもとに社会ネットワークにおける安全と信頼のマネジメントについて探究することで、自動化が社会ネットワークにもたらす影響ならびにそのリスクについて解明を進めた。またこれまで研究してきた社会ネットワークの信頼性と正当性に関する研究内容が、2023年度において2本の論文掲載という研究成果に繋がった。
しかしながら、本研究課題の研究実施期間中に生じた新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、当初の研究実施計画から研究手法を変更して研究を推進しているため、研究の進捗はやや遅れている。
以上の点を踏まえて、2023年度までの進捗状況は「やや遅れている」と自己評価した。

今後の研究の推進方策

本研究は、7年の期間をかけて海運業界における運航自動化の進展が社会ネットワークの関係構造に及ぼす影響に関する研究を行っている。
研究実施の最終年度である2024年度は、これまでの研究内容を次の3点から総括する。第1に、海難事故の事例研究を通して組織事故の発生メカニズムを社会ネットワークの関係構造の視点から考察する。第2に、自動化が社会ネットワークの関係構造およびプロセスにどのような変化をもたらすのかに関して、高信頼性ネットワークの視点から分析を行う。第3に、運航自動化がもたらすリスクを管理し、安全性と効率性を向上させるためには、どのような条件が求められるのかを解明していく。
以上の研究内容の総括を通して、海運業界における船舶運航の自動化の影響について社会ネットワークの観点から分析した本研究の成果を取りまとめる。

次年度使用額が生じた理由

2020年度から2022年度にかけて新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、学会が主にオンラインで開催されたことにより旅費が当初の予定より少額であっため、次年度使用額が生じた。また新型コロナウイルスの感染拡大の影響から研究計画策定当初に予定していた研究方法を変更したため、次年度使用額が生じた。
(使用計画)
設備備品費:研究データの分析のためのソフトウェアならびに関連研究の精査のための書籍・資料入手費用、旅費:調査・研究打合せ・学会発表のための旅費、その他:英文校閲費

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] University of Guam(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Guam
  • [雑誌論文] 組織の信頼性と正当性の統合に向けた試論2024

    • 著者名/発表者名
      藤川なつこ
    • 雑誌名

      愛知学院大学論叢 経営学研究

      巻: 第33巻第2号 ページ: ー

  • [雑誌論文] 同型化圧力のCSR活動に与える影響に関する考察―コーヒー関連企業の事例研究を通して―2023

    • 著者名/発表者名
      李 ル,藤川 なつこ
    • 雑誌名

      日本経営診断学会論集

      巻: 23 ページ: 90~96

    • DOI

      10.11287/jmda.23.90

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] COCOS : A New Theory of Fraud2024

    • 著者名/発表者名
      Natsuko FUJIKAWA,Maria Claret M. RUANE
    • 学会等名
      International Conference on Business, Economics & Information Technology (ICBEIT) 2024 Naha
    • 国際学会
  • [学会発表] 組織化における信頼の機能と逆機能―リスクの生産と分配の視点から―2023

    • 著者名/発表者名
      藤川なつこ
    • 学会等名
      経営学史学会第31回全国大会
  • [学会発表] 安全マネジメントに組織論がどう貢献できるのか2023

    • 著者名/発表者名
      原 拓志,谷口勇仁,藤川なつこ,吉野直人
    • 学会等名
      2024年度組織学会年次大会

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公開日: 2024-12-25  

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