これまで調査したデータと分析に基づき投稿し、採択された国際会議での論文発表を行った。「Resilient strategy with trial & error for open innovation by Small and Medium-sized Enterprises(中小企業におけるオープンイノベーションと試行錯誤の戦略)」と題して、PICMET (Portland Inter- national Center for Management of Engineering and Technology) 2022に採択されたものである。中小企業がオープンイノベーションを選択する際の効果的な方策を明らかにすることを目的とし、企業戦略の視点から成功要因を探った。様々な難局面において、事業の目標を大胆に再設定したり、ターゲットの市場そのものを変更したり、搭載する技術を自社開発に切り替え、一から見直しをはかるなどの大胆な見直しを経て事業化に成功していることを見出した。地域活性化の効果的な施策の一つとして中小企業による新規事業創出を支援する実践的な含意が見出されたと考えている。 総合的な考察として、地域を一つの場と捉えて臨機応変な交流を可能にするセミ・オープンイノベーションモデルは、中小企業を中心とする地域企業による新規事業創出に有効であるものと結論付けた。研究成果は、学会発表3件、論文発表1件、国際会議の論文発表1件として報告した。予定していた海外出張も完了し、異業種交流の場を通して、地域企業の経営者への研究成果のフィードバックも実施した。経営者の反応も好意的で、普段行っている活動の理論づけを得たとの評価もいただけた。 本研究は完了に至っている。
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