研究課題/領域番号 |
18K01803
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研究機関 | 東洋学園大学 |
研究代表者 |
後藤 智 東洋学園大学, 東洋学園大学現代経営学部, 准教授 (50732905)
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研究分担者 |
八重樫 文 立命館大学, 経営学部, 教授 (40318647)
小山 太郎 中部大学, 工学部, 講師 (40440648)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | デザイン・ドリブン・イノベーション / 構造化理論 |
研究実績の概要 |
研究実績の概要 本年度は主に、次の2点が実績として挙げられる。①理論の開発の大枠が完了し、その一部を国際学会で報告し、また分担研究者、海外協力研究者と共著で論文を執筆し、投稿が完了、②実践プログラムの開発を開始し、さらに協力企業と実践プログラムを支援するソフトの開発も開始した。 まず、①に関しては主にデザイン・ドリブン・イノベーションの中心的概念であるインサイドアウトプロセスに関して、既存研究が明らかにしてこなかった「どうすれば開発者の内側からアイデアが出せるようになるのか?」という課題に対してGiddensの構造化理論を用いて理論開発を行った。その結果、日本企業に属する開発者がインサイドアウトで革新的なアイデアを発想するためには、組織や社会に関する構造的要因とその構造的要因に関する個人の知識が重要であること、またその構造的要因の違いからいくつかの意味解釈のフレームが存在すること、さらにそのフレームを変化させるためには壁が存在すること、最後にその壁を乗り越えるための要因を明らかにした。 次に、②として①の成果を用いて、企業において実践できるプログラムの開発を開始した。さらに、ある企業に協力してもらい、そのプログラムを支援する情報支援ソフトの開発も開始した。 業績としては、①は1件の国際学会での発表および2件の国内学会誌の論文発表を行った。また、分担研究者および海外の協力研究者であるミラノ工科大学のベルガンティ教授と共著の論文の投稿が完了し、2018年度末の段階で査読結果待ちである。また、開発した理論の一部は2019年度に国際学会で発表する予定である。②は来年度実践プログラムを用いたアクションリサーチを行う予定である。その結果を受けて、学会発表および論文投稿を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、体系化された理論の開発が完了し、実践プログラム(ツール開発)の開発を開始することができた。また、これにより2019年度に当初の予定通り企業での実践と評価を行うことができる状態である。なお、理論に関しては今後学会誌の査読や学会発表でのフィードバック、さらに実践プログラムでの評価をベースに引き続き修正を図る。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は、学術的にはよりインパクトファクターの高い学術誌を目指すこと、実践的には企業・大学での実践を5件程度実現するために、協力者との連携していく方針である。現在の段階では、当初の予定通り順調に進んでいるため、2018年度からの協力者と継続して研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外協力研究者であるミラノ工科大学のベルガンティ教授との研究ディスカッションのため、ミラノを訪問する計画であったが、学会発表したR and D Management Conference 2019がミラノ工科大学で開催であったこと、及びベルガンティ教授が来日したこともあり、ディスカッションのための海外出張が不要となった。 翌年度分となった予算を使用して、2019年度にミラノ工科大学に出張し、集中的に研究ディスカッションを行う計画である。
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