研究課題/領域番号 |
18K01804
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
清水 勝彦 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (50579935)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 日本企業 / コロナ |
研究実績の概要 |
「低い生産性」「強い現場、弱い本社」が日本企業の特長とされて久しい。グローバル化、テクノロジーの進展とコロナ禍が相まってジョブ制、DX、CXなどが声高に叫ばれるも大きな進展はあまり感じられない。東大の藤本隆宏教授がたびたび「本社は覚醒せよ」(2012年)、「今必要なのは、強い本社が潮目の変化を察知して、強い現場を活用し、攻守鮮明な戦略を打ち出すことだ」(2019年)と指摘されているにもかかわらず。退任する津賀パナソニック社長も就任時には「小さな本社で再起」(2012年)を掲げたがその結果はよくわからない。
近年、国境を越えた企業買収(cross-border M&A)は多くの企業にとってグローバル競争上必須の経営課題となっており、その中で経営トップを支える本社部門はどうあるべきか?これが本研究の基本的なリサーチクエスチョンである。
4年計画の3年目にあたる本年は、本格的に企業インタビュー、定量・訂正双方のデータ収集に取り組む予定であった。しかしながら、コロナ禍の影響で、企業サイドも全くそうした余裕はなくかつ出張などもできなかったためほとんど本格的な作業はできなかった。コロナ下で作業範囲に限界があることを踏まえ、慶應ビジネススクールのExecutive MBAの卒業生、在校生の協力を得てデータ収集をおこなうことに方向転換をした。まず、2020年度卒業のE5生約50名に連絡を取り、12名の協力を得ることができ、Zoomによる簡単なインタビューも10社11人と行うことができた。本格的な展開はコロナの状況次第ではあるが、データ収集の項目や課題が見えつつある状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
先述の通り、コロナ禍のために、企業サイドに余力がなく、かつ清水としても出張や外出が大幅に制限され、当初予定されていた本格的なインタビューや作業はほとんどできなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ下で作業範囲に限界があることを踏まえ、慶應ビジネススクールのExecutive MBAの卒業生、在校生の協力を得てデータ収集をおこなうことに方向転換をした。まず、2020年度卒業のE5生約50名に連絡を取り、12名の協力を得ることができ、Zoomによる簡単なインタビューも10社11人と行うことができた。本格的な展開はコロナの状況次第ではあるが、データ収集の項目や課題が見えつつある状況である。今年度は在校生であるE6,E7生および卒業生E1~E4生にも連絡を取り、7月(株主総会後)をめどに、第1次のデータ収集を展開する予定である。データの収集状況を踏まえ、追加の作業を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はコロナ禍のため、インタビューおよび情報収集といった活動がほとんどできなかったため。次年度には当初予定されていた論文執筆および学会発表のための費用だけでなく、その前段階である資料収集・分析に時間と費用をかける(謝金等)予定である。
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