研究課題/領域番号 |
18K01804
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
清水 勝彦 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (50579935)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 経営企画 / M&A |
研究実績の概要 |
2021年度はコロナの影響で外部インタビューおよび国際学会への出席、発表などが大幅に制限され、当初予定していた活動があまりできなかった。しかしながら、こうした状況の中でこれまでのコンタクトのあった企業や慶応ビジネススクールのExecutive MBAプログラムおよびFull-time MBAの卒業生並びに在校生を通じて企業にコンタクトを取り、20社以上のインタビューを遠隔(Zoom)で行うことができた。経営企画部門の抱えている課題とM&A(買収だけでなく売却についても)にかかわる活動の実態についてアンケートを行っていくうえで重要な示唆を得ることができた。
経営企画と一口に言うが、企業によって役割だけでなく、事業部との力関係も様々に異なることもまた新しい発見であった。特に、買収と売却では、経営企画部門のイニシアティブも変わってくることが分かった。また、経営企画部門の役割、貢献についても経営企画部門の考え、経営の考え、そして事業部門の考えもまた異なることがインタビューから示唆された。こうした考えの違い(同じ)が経営意思決定にどのようにかかわってくるかを明らかにすることでより大きな貢献ができると考えられる。
こうした中でも、これまでのM&Aにかかわる様々なデータと知見をまとめ、Academy of Managementの年次総会(Zoom)で「Short and Long Term consequences of a Signal: Evidence from Japanese Firms’ M&A Budget Announcement」を発表することができた(査読)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のため企業へのアクセスが大幅に制限されたことに加え、出張ができず、国際学会での発表、出席、議論などができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度もまだまだコロナの影響が大きいと考えられる。こうした状況下ではあるが、遠隔によってある程度企業へのインタビューが少しずつ進んでおり、50社以上のアンケート調査への参加のめどが立っている。
企業サイドも全く経験のない中でまだまだ不確定要因も残されているが、本年度はこのサーベーの実施を中心として進める予定である。フォローアップ等にも時間をかける必要があると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度はコロナ禍のため、企業インタビュー等のための国内出張および国際学会出席のための国際出張がほとんどできなかった。また結果として、作業が進まず、リサーチアシスタントなどもほとんど必要がなかった。
2022年度はアンケート調査を進める予定であり、それに紐づくリサーチアシスタント活動、またある程度結果が出た段階での企業担当者とのディスカッション、更には国際学会への出席、発表、意見交換などもぜひ進めたいと考えており、出張旅費および人件費を中心に、予算を効果的に使用していきたい。
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