本研究の目的は、製品開発活動におけるデザイン部門と他部門(マーケティング部門、技 術部門)との相互調整プロセスに着目し、製品の根本的な差別化や企業ブランドの構築に貢 献する優れた製品デザインを効果的に創出するための組織マネジメント上の要因を明らかに することである。最終年度となる2023年度は、実施した質問票調査を通じて収集したデータの分析を進めるとともに、その結果を研究成果として論文にまとめる作業にとりかかった。具体的には、(1)製品開発プロセス対するデザイナーの関与の度合いと製品開発パフォーマンス・事業環境との関係を明らかにする、(2)製品開発プロセスの各段階に対するデザイナーの関与が製品開発パフォーマンス(製品デザインの革新性、開発効率性、ブランドの構築、業績)に及ぼす影響を明らかにする、(3)企業におけるデザインのとらえ方とデザインマネジメント・スタイルの関係を明らかにする、という3つの観点から分析を行い、それらの成果を論文にまとめて学術雑誌に投稿した。
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