海外調査がようやく可能となったので、6月にスイス国ジュネーブのILO本部事務局を訪問した。なお、この調査は、私用も兼ねていたので、費用全額を自己負担で実施した。ILO文書を閲覧調査し、必要文書を複写した。調査時にはじめて、デジタル目録化されていない過去の文書があることを知り、そのごく一部を閲覧調査した。10月に米国ボストンにあるハーバード大学図書館を訪問し、フリーダ・S・ミラー労働省女性局長とその娘のエリザベスの文書を、相当に綿密に閲覧調査し、必要文書を複写した。この費用は科研費から支出した。米国から帰国後に執筆し、3月に公刊したのが遠藤公嗣[2024]である。これまでの研究を総括し一研究書とする作業をすすめていて、その一部となるところの、遠藤公嗣[2024]の続編となる原稿を3月に執筆完了した。これらの作業中に、近刊の英語研究書に、私の課題と重なる研究成果があることを知った。その記述から、ILO本部事務局の非目録文書に私が探していた文書が存在する可能性があることを知り、2024年中に再度、訪問調査が必要なことを知った。この費用は全額自己負担の予定である。現在、その準備を進めるとともに、最近の英語研究文献のサーベイ研究をすすめている。私の加齢で研究可能期間の限界が近づいているにもかかわらず、研究すべき課題が次々と明らかになる事態が進んでいる。ある程度の「みきり」が必要と自覚している。なお、年度途中に、私の研究課題に関連して出版社から執筆依頼を受けた公刊論文として、遠藤公嗣[2023]がある。
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