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2022 年度 実施状況報告書

これからの「創造的な働き方」を支える組織変革と組織学習の統合的探求

研究課題

研究課題/領域番号 18K01818
研究機関南山大学

研究代表者

安藤 史江  南山大学, 経営学部, 教授 (70319292)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード両利きの経営 / 組織の発展段階 / ミドルの役割 / 組織学習サイクル
研究実績の概要

令和4年度は、それまでに収集したデータの分析を進めるとともに、成長を続けている企業の事例の追加的な収集を行った。両利きの経営の好例として注目されている企業、そして、一見したところはまだ両利きの経営はなされていないようにみえるが、技術的には活用だけでなく探索にも着手しようという努力を続けており、ここ数十年で飛躍的な成長を遂げている企業の2社である。主に、インタビューや公開資料、HP、ビジネス記事などを用いて、その特徴の洗い出しを試みた。
令和3年度までに実施した「遠投経営」と、これらの追加調査企業には類似点も多いものの、企業規模が大きく異なることもあり、異なる課題もみえてきた。類似点としては、やはりトップが遠くに経営理念や目標を掲げる一方で、組織メンバーである従業員も遠くの学習源を積極的に求め、それを内部での活動に活かそうとしている点、そして、そのための組織条件も整備しようとしている点である。異なる点としては、規模が大きい分、メンバーや職場の学習を組織の学習に活かそうとした場合の、トップと現場の間をつなぐミドルの役割が一層増しており、彼らにクローズアップし、その役割に制約を与えている点をマネジメントする必要が見出された点である。また、発展段階の違いという切り口で整理することも可能であると考えられた。
主に、技術面やポートフォリオなどの戦略面については情報を得られたが、組織面についてはまだ不十分な点が多いため、今後も調査を継続する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

収集したデータの分析はまだ形にはなっていないが、ヒアリング、工場見学などの実地調査は行うことができたため。必ずしも全く同じものを測定しているわけではないが、量的調査と質的調査が平行して進んでいる形となり、それぞれの結論から共通するもの、融合できるものを検討するための前準備が整いつつある。

今後の研究の推進方策

令和4年度に着手した企業調査を継続して行い、各企業ごとに事例分析などの形にするとともに、これまでに蓄積した企業の事例の類型化や関係性を明確にする取り組みを行う。
また、これら質的調査分析の一方で、やはり蓄積している量的データの分析も進め、その結果についても形にする。
最終年度である本年度は、両結果からの知見の抽出も試みる予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で当初計画していた企業の実地調査ができない時期が続いたため。ただし、zoomを用いて、ヒアリングそのものは複数回実施することができた。令和5年度は、対面でも調査させていただけるよう相手先に依頼はするが、先方のご希望によっては、適宜zoomも用いるなど、柔軟に対応しながら進めたい。
また、その結果、予定外に対面での調査が少なくなった場合には、報告書の作成や英文校閲の利用の仕方を充実させるなど、別の形での対応も考えたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 変わり続ける組織の「遠投経営」2022

    • 著者名/発表者名
      安藤史江
    • 雑誌名

      日本経営学会誌

      巻: 49 ページ: 17-26

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公開日: 2023-12-25  

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