研究課題/領域番号 |
18K01819
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研究機関 | 星城大学 |
研究代表者 |
小島 廣光 星城大学, 経営学部, 特任教授 (80093029)
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研究分担者 |
平本 健太 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (00238388)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 公益法人制度改革 / NPO法と寄付税制の改正 / 非営利法人制度改革 / 政策形成 |
研究実績の概要 |
本研究は,公益法人制度改革と「NPO法と寄付税制の改正」を,わが国の非営利法人制度改革の先駆的な事例として取り上げ,これら作成された2事例を改訂・政策の窓モデルにもとづいて分析し,制度改革を導いた因果メカニズムを明らかにすることである。 現段階で考えられる仮説命題は次の8つである。【仮説命題1】参加者は,政策の実現に必要な資源を獲得するために,組織間関係を展開する。【仮説命題2】重層的に連結された政策形成の場は,参加者によるコンテクストの共有を促進する。【仮説命題3】複数の問題が,全体として十分な内容を備えるとともに相互に関連し統合されており,それらの解決が多くの参加者によって支持される場合,政策形成は進展する。【仮説命題4】特定の政策案の融和がなされ,新たな政策案が追加・洗練され,最終的に存続規準を満たす政策案が生成・特定化される場合,政策形成は進展する。【仮説命題5】(1)政府関係者の交替,(2)政府内部の管轄争い,(3)利益集団の活動,(4)国民のムードの変化,からなる政治が,全体として十分な内容を備えるとともに相互に関連し統合されている場合,政策形成は進展する。【仮説命題6】政策アクティビストは,政策の窓の開放を認識するとともに,アジェンダ,政策状況,政治状況の完全なパッケージを構成する。【仮説命題7】先例は,同一の政策分野に波及する。【仮説命題8】政府立法の全プロセスは計画的であり,議員立法の全プロセスは創発的である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目(2019年度)においては,政府立法と議員立法の比較分析のために,事例作成の際のわれわれの考察を整理するとともに,組織論や政策形成に関するサーヴェイを行った。整理された考察および上述のサーヴェイの結果にもとづいて,公益法人制度改革と「NPO法と寄付税制の改正」との比較分析のための枠組を構築した。しかし,比較分析のための枠組を一層精緻化するための国内の研究組織との交流は行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
3年目(2020年度)においては,国内の研究組織との交流を行い比較分析のための枠組を一層精緻化する。最終的に構築された比較分析のための枠組にもとづいて,2事例の比較を試み「組織間関係と協働」の特徴を命題として導出する。2018-2020年度の研究成果を統合し,非営利法人制度改革の全過程の評価結果を検討するために,研究ワークショップを開催する。研究成果を作成するとともに,学会報告の準備を行う。同時に,研究成果を書籍として刊行する準備を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2年目(2019年度)において,研究代表者である星城大学特任教授の小島廣光の教育業務は多忙を極めた。このため,政府立法と議員立法の比較分析の枠組を一層精緻化するための国内研究組織との交流を行うことができなかった。次年度(2020年度)においては,この実行できなかった国内研究組織との交流を遡って行う計画である。
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