研究課題/領域番号 |
18K01821
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
加藤 敦 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (00329963)
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研究分担者 |
三宅 えり子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (20288608)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 国際交流 / HEIネットワーク / ACSB |
研究実績の概要 |
第1に国際交流については、国際中小企業評議会(ICSB)並びにアジア中小企業学会(ACSB)において研究者・実務家との連携の推進に努めた。(1)ICSB第63回世界大会(6月)では「人間志向の起業家精神」に関する調査並びに発表を行った。まずSDGsを主テーマにした青年向け起業ワークショップであるICSB Academyのプログラムにオブザーバーとして参加し、国際的に著名な起業教育者と交流し、いかに「人間志向の起業家精神」を高めるべきか、教育ノウハウの吸収に努めた。次に正統性獲得の見地から石巻市のNPO(女性起業家)に関しての事例研究を報告し、社会的起業分科会において活発な質疑応答を行った。さらに社会的起業に関するワークショップや研究報告に積極的に参加し研究者間の情報共有に努めた。(2)ACSB第6回東京大会2日目(9月)において研究代表者は主催者として人間志向の起業家セッションを企画運営した。韓国カトリック大学のキム・キチャン副学長のHEI(Humane Entrepreneurship Initiative)ネットワークを創ろうという呼びかけに応じ、アジア各国から人間主義的な起業家が集い「東京宣言」が発せられた。日本からの6名の起業家のうち2人は女性起業家である。また共同研究者は女性のリーダーシップ並びに起業家精神について台湾並びに韓国と比較した研究報告を行った。 第2に「人間志向の起業家精神」を発揮する女性リーダーに対する面接調査については、数名にとどまった。これは、ACSB大会の主催に関わるなど、国際交流の機会を優先し、男女を問わず人間志向の起業家について調査し、先進性の高い起業家へのインタビューを優先したためである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が国内留学制度により一橋大学経済学客員研究員として1年間滞在しており、ACSB第6回国際コンファレンス(東京大会)に主催者の1人として加わったことから、研究計画にある(1)「人間志向の起業家精神」を発揮する女性リーダーに対する面接調査、(2) 面接調査データにもとづく量的調査、影響要因の視覚化、(3)国際交流のうち、国際交流を優先したためである。なお、研究代表者は2017年10月に発作性心房細動に罹患し2018年2月に心筋焼灼手術を受けたので、出張数を抑えることで健康を回復できた面もある。
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今後の研究の推進方策 |
第1に社会的活動や女性の生活の質向上に関わる活動に取り組む女性起業家(リーダー)に対する面接調査について、100人以上との目標を継続し、期間内の実施に全力を挙げる。調査対象選定は、各地域の支援組織(各地域の女性起業支援組織、地域経済団体、並びにNPOの中間支援組織)の推薦、面接した女性起業家からの推薦にもとづく。決して簡単なことではないが、研究代表者と共同研究者が互いに欠点を補いあうことで対処する。ただし、対象地域については、効率的に面接を進めるため、今年度は関西地区を中心とする。 第2に国際交流については、引き続きACSB等の国際コンファレンスにおいて研究成果を報告し、アジアの研究者・実務家との連携を推進するよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
「人間志向の起業家精神」を発揮する女性リーダーに対する面接調査について、数名にとどまったためである。この背景として、研究代表者が2017年10月に発作性心房細動に罹患し2018年2月に心筋焼灼手術を受け、出張数を抑えたことがある。 継続観察の結果、健康を回復したため、共同研究者と計画を調整し、面接調査を効率的に実施したい。
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