研究課題/領域番号 |
18K01821
|
研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
加藤 敦 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (00329963)
|
研究分担者 |
三宅 えり子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (20288608)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ISO / Humane entrepreneurship / 人間志向の起業家精神 / 援農ボランティア / Government as a Platform |
研究実績の概要 |
第1に研究代表者は「人間志向の起業家精神」(Humane Entrepreneurship) のISO標準化を目指し、NEASF(Northeast Asia Standards Cooperation Forum、北東アジア標準協力フォーラム)のWorkingGroup27(Guidance for humane entrepreneurship)に経済産業省の承認を得て日本側エキスパートとして参画し、Kim-Kichan韓国カトリック大学教授などとともに提案内容の作成に携わった。日中韓共同提案(幹事国中国)として International Workshop Agreement提案(Guidelines for humane entrepreneurship - principles and framework)まで進めたが、ISO/Technical Management Boardにおいて投票の結果、否決された。第2に『人間志向の起業家精神』に溢れる女性リーダーに関して事例研究を進めた。対象分野は農業部門並びに子どもの貧困対策を中心とした。地域システムにおける行政の果たすべき役割がプラットフォーム化(Government as a Platform)する中、女性の社会的起業を創発すべる環境がいかに醸成されるべきかという見地から研究を進めた。 本年度は奈良市郊外における援農ボランティア組織を立ち上げた女性起業家についての事例研究をAsia Council for Small Business(ACSB)第7回国際コンファランス(韓国全州)で口頭発表した。第3に『女性とアントレプレナーシップ:情熱、探求心そして未来への思い(仮題)』出版準備を進めた。また日本の女性リーダーに関する英文図書出版に参画した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
第1にHumane entrepreneurship のISO標準化がスケジュールに上がったので、中韓の研究者とともに取り組み、これを端緒として事例研究に弾みをつけることを企図したが、結果的にISO標準化が実現しなかったため、研究に弾みをつけることができなかった。第2に研究代表者が感染症のため、12月末から2月上旬にかけ2度にわたり述べ1月ほど入院し、その後の新型コロナウィルス感染拡大もあったため面接調査実施に大幅な支障が生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
第1に出版計画『女性とアントレプレナーシップ:情熱、探求心そして未来への思い(仮題)』を進め、研究成果の公開に努める。 第2に人間志向の起業家精神と女性のリーダーシップに関する事例研究を精力的に進める。事例研究にあたっては創意工夫をこらし、効率的に成果をあげるよう尽力する。(1)国内ではGovernment as a Service に関する先行事例(滋賀県における子ども食堂等)を重点的に研究する。(2)海外ではアジア各国の人間志向の女性起業家について事例研究を行う。(3)Microsft Formsを活用し、オンラインで質問調査を行うなど、新型コロナ渦において効率的な調査を推進する。(4)研究協力者を採用し、分担して効率的な調査を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは、研究代表者が2019年12月から2020年1月にかけて尿路感染症で述べ1月弱、入院加療し、その後の新型コロナウィルス感染症の拡大もあったことから事例調査の計画が遅れたためである。 使用計画としては、第1に国際研究についてはISO規格化が挫折したため、アジアの女性人間志向の女性起業家の事例研究にあてる。第2に国内研究については、Government as a Platformの下での女性起業家の創発条件について、事例研究を行う。研究に際しては、新型コロナ禍において効率的に研究を進めるため、Microsoft Forms等を活用したオンライン調査を積極的に進める。
|