研究課題/領域番号 |
18K01824
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
奥野 明子 甲南大学, 経営学部, 教授 (20319784)
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研究分担者 |
大内 章子 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (20335110)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 人事評価 / 目標管理 / 女性労働 / 仕事の配分 / 二重の減額 |
研究実績の概要 |
以下のように、年間5回のワークショップを実施した。各ワークショップでは研究に必要なアンケートデータを収集した。 ①「第5回ワークショップ甲南大学春期公開講座 女性のキャリアを考える」、2019年6月15日、甲南大学岡本キャンパス、②「第6回ワークショップフレンテみえ育休後ママのつどい」、2019年12月14日、三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」、③「第7回ワークショップしまね働く女性きらめき応援塾 」、2020年2月13日、島根県浜田合同庁舎、④「第8回ワークショップしまね働く女性きらめき応援塾 」、2020年2月14日、松江市市民活動センター、⑤「第9回ワークショップママのキャリアを考えるワークショップ」、2020年2月22日、遊学館。これらのワークショップでは、数多くの復職者が集い、復職後の働き方について考えると同時に、研究データのためにアンケートを実施した。 研究成果の発表として、第49回日本労務学会全国大会(2019年6月29日、慶応義塾大学三田キャンパス)にて「産休・育休からの復職者に対する仕事配分と人事評価に関する研究」の報告を実施した。 また、『経営研究』において「産休・育休からの復職者の仕事配分と人事評価」(2019年10月)、『労働調査』において「産休・育休からの復職者の人事評価の問題点」(2019年12月)が掲載された。 その他、企業からの依頼により各種セミナーを以下のように実施した(「女性リーダー研究会(白井塾) 」2019年12月18日、尼崎経営者協会、「KKCダイバーシティ研究会」2020年1月17日一般財団法人近畿健康管理センター)。これらのセミナーでは研究の成果を実務に活かせるよう伝える機会であり実務へのフィードバックとして有用であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように全国で複数回のワークショップやセミナーを継続して実施してきた。ワークショップ参加者の人事評価に対する問題意識を醸成し、各自の職場でその意識が会社の制度や企業文化に影響を与えるであろうことが考えられ、その意味で、研究の意義は高いと思われる。その一方で、ワークショップの参加者は、調査対象者(復職後およそ1年程度経過している者)としては限られていることから、データ数として十分ではない。2020年にワークショップを継続し、100以上のデータを集めたい。また、研究成果を学会報告や雑誌などで積極的に公表してきた。当初予定していた書籍としてまとめる事は今年度中には難しいが、次年度には実行する。
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今後の研究の推進方策 |
2020年前半はコロナショックの為、従来通りのワークショップの実施が困難である。オンラインワークショップの実施を試み、可能であれば2020年度は複数回のオンラインワークショップの実施と、それに伴うアンケート調査を進める。100超のデータ収集を目標とし、今年度中にディスカッションペーパー等にまとめ公表する。 2020年9月3日~5日まで開催されるBritish Academy of Management(BAM2020)での研究報告「Assignment of Work and Performance Evaluation Regarding Personnel Returning from Maternity or Childcare Leave in Japanese companies」を予定している。また、ワークショップ参加者ではない復職者を対象とした調査、復職者とそれ以外の者の人事評価を比較する調査研究を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費の使用状況は、ワークショップの開催に左右される。特に、ワークショップの開催が、公的機関との共催の場合は託児費、広報費用、施設利用料など不要となるケースが多い一方で、単独開催となるとそれらの費用が発生する。地方でのワークショップ開催は共催者の有無に左右される。そのような事から、予定通りの回数でワークショップが実施できなかったことが大きな要因である。
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