2022年度は、研究期間の最終年度に当たるため、これまでの研究結果を纏める作業とともに、国内外でのフォローアップ調査を実施した。 まず、2022年度の前半に国内の酒蔵および酒販店でのヒアリング調査を実施し、Covid-19下での日本酒の輸出の状況をヒアリングし、それ以前までの輸出状況との違いの把握に努めた。さらに、どのような生産情報と分類情報を生み出しているのか、生産の現場で日本酒の輸出に向けた生産情報の生成に関する最新情報を調査した。また、2022年度の後半は北米地域への日本酒輸出のフォローアップ調査を実施した。具体的には米国カリフォルニアでの現地調査をおこなった。また、新たにカナダへの日本酒の輸出の状況を調査し、どのような生産情報が付加されながら販売されているかの実地調査をおこなった。カナダは日本酒の輸出先の上位国ではあるが、米国の市場とは特徴が大きく異なっている。カナダでは米国とは異なり、酒類の輸入については、アルコール飲料輸入法(Importation of Intoxicating Liquors Act)によって、州政府にその管理権限が与えられており、カナダへの酒類輸入はすべて各州のアルコール飲料専売公社を通じて処理されることが義務付けられている。そのため、政府がアルコールの流通を一元的に管理しており、輸入業者は政府の定める酒類管理委員会と取引をおこない、現地での販売をおこなうことになる。 さらに、2022度の全体を通して、これまでに調査してきた調査データや資料の纏めをおこない、生産情報・分類情報・適合情報の各セグメントで、どのような情報を生成しているのかについて理論化する試みをおこなった。
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