研究課題/領域番号 |
18K01834
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
武石 彰 学習院大学, 経済学部, 教授 (60303054)
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研究分担者 |
菊谷 達弥 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (80183789)
中本 龍市 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (80616136)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 取引関係 / 技術革新 / 自動車産業 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトの3年目にあたる2020年度においては、2019年度に続き、研究分担者、研究協力者が相互に連絡・調整しながら、共同研究作業を実施することができた。具体的には、以下の通り、本研究プロジェクトを推進していくために必要な作業を進めることができた。 まず、国内部品取引構造の分析については、2018年度、2019年度に整備したパネルデータを用いて、分析作業に取り組んだ。2019年度に整備した、取引の継続・解消、系列関係の継続・解消、企業の存続・被買収・解散など被説明変数について、その要因を分析する作業を進めることができた。また、技術的に成熟した伝統的な部品と技術革新が進んでいる新規の部品を取り上げて、系列関係を含む取引構造の変化のパターンを比較分析する作業についても進めることができた。 また、海外部品取引構造の分析については、①部品サプライヤーへの質問票調査データの分析と②JAPIA (日本自動車部品工業会)「海外事業概況調査」の分析を実施した。この内、①については、2019年度末に実施したJAPIA会員企業435社への「部品の設計・製造および納入先メーカーとの関係に関する質問票」調査から57社の回答を回収し、回答データを整備して、予備的な検討・分析を進めた。②については、データの入力作業をさらに進め、予備的な分析を進めることができた。ただし、①については感染症流行の影響で回収率が低かったことから、追加のアンケート調査を計画していたが、感染症が収束せず、実施のための環境が整わなかったすることから、期間を延長することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究プロジェクトを推進していくために必要な基本作業を進めることができた。この点において、本研究課題は、おおむね順調に進捗していると判断している。ただし、新型コロナ感染症拡大への対応の影響で、本プロジェクトのための研究の時間や研究者間の直接の交流の機会が制約され、さらに(上述の通り)部品サプライヤーへの追加アンケート調査実施にも支障が出たため、作業の進捗が減速した。
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今後の研究の推進方策 |
上記の作業実績を踏まえ、2021年度は、部品サプライヤーへの追加アンケートを実施し、さらに追加的なデータの収集・整備を進めながら、実証分析の実施に取り組んでいく予定である。 前年度に引き続き、資本関係に関するデータおよび特許データと部品取引のパネルデータの接続、部品取引パネルデータのネットワーク分析、海外部品取引に関するアンケート調査及び海外事業概況調査に基づくデータの分析などの作業に注力し、研究代表者、研究分担者、研究協力者が相互に緊密に連絡、調整しながら、共同研究作業を推進し、研究の成果を公開していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度末にアンケートを実施したが、回収率が低く、感染症流行の影響が考えられたことから、2020年度中頃に追加アンケートを実施することを計画していた。しかし、感染症流行が収束する気配がなく、同年度中に再度アンケートを実施しても追加的成果は限られることが予想されたことから追加アンケートの実施時期を2021年度へ繰り延べることが望ましいと判断したことが理由である。感染症の流行状況を見極めつつ、追加アンケートを2021年度中に適切なタイミングで実施することを計画している。すでに調査票および送付先リストは用意されているため、決定後は支障なく円滑に実施できる見通しである。
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