現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一に,健康経営に関する研究は,研究代表者が共著者となって学術雑誌に投稿してきた(四方邦宗・松嶋登(2021)「経済化する健康経営:健康経営銘柄の制度化プロセスに対する批判的検討」『国民経済雑誌』第223巻, 第5号, 11-31頁).本論文は,近年,表彰制度として設立された健康経営銘柄によって加熱化する健康経営について,最新の経営学研究である価値評価研究の観点から批判的検討を行っており,価値評価研究の編著書に向けてさらに研究を進めている. 第二に,サイエンス・ベースド・イノベーションに関する文理融合型の研究成果として,理化学研究所の石川哲也センター長,東京都立大学の桑田耕太郎,神戸大学の塚原東吾と共に,定期的に研究会を行い,カーボンニュートラル社会の実現に向けた科学・社会研究会を発足させた.その上で,2022年3月に第一回のシンポジウムを開催した(カーボンニュートラルに向けて:自然科学と社会科学の連携). 第三に,経営学における物質性概念については,総勢9人の研究者と共に議論を続け,2022年3月に経営学における物質性の関係を体系的にまとめ,英文研究書を発刊した(Noboru Matsushima, Akiyuki Yatera, Mitsuhiro Urano, Naoto Yoshino, Shunsuke Hazui, Sho Nakahara, Kohei Kijima, Keitaro Kuwada and Tadashi Takayama (2022) Materiality in Management Studies: Development of the Theoretical Frontier, Springer).本書は,経営学における物質性概念を単にまとめただけではなく,我が国の新進気鋭の9人の研究者による,経験的研究の成果を世界に向けて発信した.
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