研究実績の概要 |
本研究の目的は、戦略と人的資源管理の適合が従業員の行動と組織業績に与える影響を明らかにすることである。より具体的に言えば、本研究課題の最終的な目標は、人的資源管理と組織業績との間にあるブラックボックスについて、一定の知見を得ることにおいている。ブラックボックスに関連する変数としては、従業員の心理や行動、諸制度、資源、戦略など多様なものが考えられるが、初年度は、主に従業員の心理や行動に焦点を当てて考察した。2年目は、引き続き調査を進め、ブラックボックスに関連する変数として、リアリティショックや私生活に関する満足度、会社のWLBなどに対する取り組みや組織的公正、コ ミットメントなど様々な変数についてデータを収集しすることができた。2020年は、これらのデータを用いて実証分析を行った。当該研究に関わる研究成果として、下記の論文を発表した。1.「ワーク・ライフ・バランス施策の使いやすさに影響を与える職場要因」『神戸学院経営論集』第17巻第1号, 2020年9月.(共著:千田直毅・三崎秀央)、2.「非正規雇用における「非」労働条件の影響 : 組織的公正とビジョンの観点から」『日本経営学会誌』44, 22-31, 2020年6月.また、当該研究に関わる学会発表として次の報告を行った。「「ワーク・ライフ・バランスにおけるワークとライフの相互性に関する一考察―WLBの質的側面に着目して―」日本経営学会関西部会11月例会. 2020年度はコロナ禍によってデータの収集が当初予定していた通りに進まなかったために、代替的な手段としてメールによるインタビューや2次データの収集を行った。
|