本研究の目的は、戦略的人的資源管理研究の枠組みを用いて、HRMと組織業績との間にある媒介・調整変数を明らかにすることである。現在のSHRM研究の関心は、その核心的命題であるHRMと組織業績に介在する変数を理論的・実証的に明らかにする、いわゆるブラックボックス研究にあるといえる。 本研究では、戦略と人事の適合関係が従業員のモチベーションやコミットメントに影響を与えることで知られている組織的公正にプラスの影響を与えることや、戦略と適合している場合にHRMが営業利益にプラスの影響を与える一方で、適合していない場合にはマイナスに作用することを示すことができた。
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