研究課題/領域番号 |
18K01849
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
水野 由香里 国士舘大学, 経営学部, 教授 (80453463)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 保有資源 / 技術の活用 / 事業の探索 / 創発戦略 / 転機のマネジメント / 見えざる資産 / 戦略不全 |
研究実績の概要 |
本研究の特徴は、日本企業の創発戦略(企業が保有する経営資源や「組織の強み」を最大限に活かすことのできる戦略、あるいは、「現場の強み」を活かすことができる戦略)を再考するにあたり、これまで創発戦略の実践において焦点が当てられていなかった中堅・中小企業を研究の対象として、セミ・ストラクチャード方式で定性的調査を実施することであった。この目的に沿って、2018年度は、文献調査、および、インタビュー調査を実施してきた(実施地域:気仙沼、仙台、名古屋、岐阜、島根など)。 また、これらの研究の成果を、学会発表としては、Academy of International Businessの下部組織であるAssociation of Japanese Business Studiesで発表し、印刷物としては、2018年5月には『戦略は「組織の強さ」に従う』(中央経済社)として上梓し、さらに、2019年3月現在では、『レジリエンス研究の系譜と経営学的意義』(仮題/白桃書房)の原稿執筆も終わり、出版社に提出してゲラ原稿待ちの状況である(上梓は7月を予定している)。 さらに、2019年度3月現在では、これらの研究を海外のジャーナルに投稿するための準備も行っている。一方で、これらの研究成果に対する社会的な発信も行っている。例えば、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センターの研究部会の一つである技術経営研究部会での発表(2019年4月20日予定)や、日本インダストリアル・エンジニアリング協会の特別講演会での講師(2019年5月21日予定)などの引き合いもいただいている。 これらのように、本研究課題が採択されたことによって、さまざまな研究活動を積極的に進めることができ、また、社会で発信する機会を得ることができている点を鑑みると、本研究が一定の成果に結びついてきているといえよう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画を上回るスピードで研究を進めることができている。 まず、Academy of International Businessの下部組織であるAssociation of Japanese Business Studiesで発表し、2018年5月の時点で中央経済社から『戦略は「組織の強さ」に従う』を上梓した。 その後、7月末までは主に文献調査を行い既存研究を整理したうえで、8月にはインタビュー調査を進めることができた。そして、9月下旬からは、インタビュー調査結果を整理して、書籍のドラフトを作成するなど、研究を進めることができた。11月から執筆にとりかかり、12月末までに、基本となる原稿の執筆が完成した。2019年1月はインタビュー調査で得た情報について、事例企業として協力をいただいた担当者の方々に、事実関係の確認をしていただいた。そして、2月には、出版社に原稿を渡すことができた。こうして、2019年3月現在において、ゲラ原稿が上がってくるのを待っている段階である。2019年2月に出版社に書籍の原稿を渡した後には、新たに、海外ジャーナルに投稿するための論文執筆に取り掛かっているところである。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、これまでの研究を踏まえて、海外ジャーナルに投稿する論文を仕上げることが2019年3月時点での課題である。これらの研究で得た知見を研究会や学会で発表することで、さらなる研究の昇華に結び付けていきたい。 そして、引き続き、既存研究の文献調査、および、インタビュー調査等を継続していく。
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