研究実績の概要 |
本研究の目的は、中高齢労働者におけるジョブ・クラフティングの規定要因を、組織と個人の両面から解明し、その組織への貢献のあり方、動機づけの実態を明らかにすることであった。あわせて日本企業の役職定年、定年再雇用の有効性の実態を解明することも目的としていた。上述した目的のために、平成30年度に質問紙の設計と第一波の調査、令和元年度については第二波のWEB調査を行った。研究計画においては、2000名のサンプル数を予定していたが、第一波では4331名のサンプル数を確保できた。また、サンプルの中では、役職定年者と定年再雇用者のサンプルを確保できた。くわえて、第二波調査では、4331名の追跡調査対象者のうち3535名の回答を得た。追跡調査の回答率は81.6%であり、通常の調査と比べて非常に高い回答率を得てサンプルを確保することができた。 令和元年度から2年度にかけて、調査の分析と論文作成を行った。その結果、すでに以下の2つの査読論文が掲載済みである。 Takao M, Ishiyama N. Effect of Career Adaptability on Subjective Well-Being of Middle-Aged and Older Employees. Sustainability. 2021; 13(5):2570. https://doi.org/10.3390/su13052570 Sustainabilityは、インパクトファクター2.5以上の権威ある国際ジャーナルである。 石山恒貴. (2021). 雇用によらない働き方におけるワーク・エンゲイジメントの規定要因: 雇用者とフリーランスの比較分析. 日本労働研究雑誌, 63(1), 67-87. さらに日本労務学会誌に掲載予定であり、また他の国際ジャーナルにも投稿中であり、十分な研究成果をおさめている。
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