研究課題
本研究は、人材の多様性をいかすことで価値創造につなげるプロセスを明らかにすることを目的としている。研究開始から3年目の令和2(2020)年度は、1)研究報告および諸外国の研究者との意見交換、2)定性分析、3)海外の文献レビューの3つを行った。1)については、研究成果が、アカデミー・オブ・マネジメントの年次大会、国際経営領域のベストペーパーに選ばれたため、令和2年8月に研究発表を行った。その際には、本研究の質的および量的・時系列での研究方法が高く評価された。また、分野をまたがる研究としての潜在的な貢献が大いにあると評された。さらに、令和2年7月には、アカデミー・オブ・インターナショナルビジネス2020年次大会でのペーパーデベロップメントワークショップで、ダイバーシティ分野の研究者およびマルチレベル分析を主に行う研究者らと、論文をより発展させるための意見交換を行った。2)については、日本に本社を置くグローバルカンパニーの、欧州のトップマネジメントチームのメンバー、本国親会社の幹部に対して、ヒアリング調査を行った。その結果、メンバーの多様性の認知と、各メンバーのインクルージョンがいかに経営成果に結実するかのメカニズムについて、実証的に裏付けることができた。3)については、とくにインクルージョンの与える影響、トップマネジメントチームの多様性と成果について既存研究を整理した。そのことで、既存研究のギャップをどのように埋めるかについてのロジックを明らかにし、アカデミー・オブ・インターナショナルビジネス2021年次大会にペーパーを提出(2021年6月発表決定)した。これらにより、ジャーナルへの投稿準備を進めることができた。
3: やや遅れている
1)コロナ禍で、当初予定していた外国機関での調査が実施できなかった。2)対面での学会、研究会の参加ができず、共同研究者および関連分野の研究者との意見交換が、当初予定したほどにはできず、論文のジャーナル投稿のための精緻化が遅れた。
今年度は、次の3つを重点的に行う。1)「アカデミー・オブ・インターナショナル2021」年次大会にて研究発表、各国、各分野の研究者との意見交換を実施、2)各国のコロナ対策規制状況に応じて、オンラインでの追加ヒアリング調査の実施、3)共同研究者との意見交換をオンラインで実施。これらオンラインミーティング化については、対面での実施と同等の質を維持できるように事前準備を十分に行うとともに、開催頻度を増やす。今年度中に、トップジャーナルへの投稿を目指す。
1)コロナ禍で、当初予定していた外国機関での調査が実施できなかった。2)対面での学会、研究会の参加ができず、共同研究者および関連分野の研究者との意見交換が、当初予定したほどにはできず、論文のジャーナル投稿の精緻化が遅れた。本年度は、それを克服するために、オンラインでのインタビュー調査、オンラインでの研究者との意見交換の数だけでなく、質を高めるように努める。そのことで、トップジャーナルへの投稿と成果発表を行う。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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