研究課題/領域番号 |
18K01857
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
谷口 真美 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (80289256)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インクルージョン / ダイバーシティ / 多様性 / 風土 / D&I |
研究実績の概要 |
本研究は、企業組織が人材の多様性をいかすことで価値創造につなげるプロセスを明らかにすることを目的としている。 令和3(2021)年度は、1)研究発表および諸外国の研究者との意見交換、2)文献レビュー、3)研究成果の統合の3つを行った。 1)については、インクルージョンの意識が個人の行動と集団レベルの成果にもたらす影響、さらにはコンテクストによってメカニズムが異なることを明らかにした。トップマネジメントチームの多様性と成果についての調査結果を、アカデミー・オブ・インターナショナルビジネス2021年次大会に(2021年6月)にて、研究発表を行った。オンラインでの学会であったため、当日には、あまり参加者との意見交換はできなかった。しかしながら、投稿時に、レビューアー3名から得た論文へのフィードバックに基づき、草稿のリバイズを行い、ジャーナルへの投稿準備を進めることができた 2)については、1990年代から現在までに発行された、国内外のインクルージョンに関する研究をレビューした。その結果、インクルージョン研究が、社会からの要請にもかかわらず停滞している現状と、その理由、今後求められていることの傾向を確認した。 3)については、2022年度中の書籍発行に向けて、出版社と調整を行った。2021年度は、書籍の2章から5章の草稿を執筆した。主に、歴史的背景、理論、フレームワーク、およびこれまでの研究で明らかになっている点、未だに解明されていない点について、また本研究の主な調査結果に照らし合わせて、示唆を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、国際学会がすべてオンラインでの開催となり、海外研究者との意見交換が表面的なものになり、海外ハイインパクトジャーナル投稿のための論文の精緻化が遅れた。海外調査も、延期となり、思ったようには調査が進まなかった。他方、文献サーベイや、日本語での書籍執筆に時間をかけることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、次の4つを重点的に行う。1)分析結果の統合。既に出版許可が下りている日本語での書籍に関して、実証研究結果部分の執筆を行い。2022年度中の出版を目指す。また、英文ジャーナルに関しては、ハイインパクトジャーナルへの投稿を行うべく、モデルの精緻化を行う。2)海外研究者との意見交換。オンサイト開催を前提に、「アカデミー・オブ・マネジメント2022」年次大会(アメリカ、シカゴにて開催)にて8月に研究発表を行う際に、各国、各分野の研究者との意見交換を実施する。3)各国のコロナ対策規制状況に応じて、オンラインでの 追加ヒアリング調査を実施する。4)共同研究者との意見交換をオンライン(場合によってはオンライン)で 実施。これらオンラインミーティング化については、対面での実施と同等の質を維持できるように事前準備を十分に行うとともに、開催頻度を増やす。
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次年度使用額が生じた理由 |
分析結果の統合と、ヒアリング調査の延期のため。 本年度は、その遅れを取り戻すべく、調査依頼をし、さらには分析結果の統合を行う。
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