研究課題/領域番号 |
18K01859
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
橋場 俊展 名城大学, 経営学部, 教授 (10364275)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 従業員エンゲージメント / HRM / 人材定着 |
研究実績の概要 |
2019年度の研究成果としては、まず本研究のキー概念である「従業員エンゲージメント」を向上させる施策が着目されるに至った背景、およびそれら施策が人的資源管理あるいはより広く経営管理全般において占める位置づけについて考察した論文「人的資源管理の基本問題」をまとめることができた。 同論文では、従業員エンゲージメント施策を、リテンション・マネジメントやタレント・マネジメントと並ぶ人的資源管理の新動向として取り上げつつ、人的資源管理施策全般にとどまらず、組織風土、経営理念、リーダーシップのあり方まで視野に入れた取り組み範囲の広範さ、すなわちトータリティーにその特徴と先進性を見いだしている。同時に、その対象があくまでタレントに象徴される中核的人材に限定される選別性を有するという従業員エンゲージメントの課題を指摘している。以上のような形で、従業員エンゲージメントの意義と主たる問題点を析出することができた。なお本論文は、共著『現代経営学の基本問題』所収という形式で2020年8月刊行予定である。 次に、従業員エンゲージメントと密接に関わる、リテンション・マネジメントや人材育成について現状や諸課題等を検討し、こちらも論文としてまとめることができた(共著『いま社会政策に何ができるか』第2巻(労働政策)所収という形式で2020年11月頃刊行予定)。 最後に、2019年10月25日~11月3日の期間、アメリカ出張を実施し、最新の人的資源管理施策やAIやロボットなどの新技術導入に対する労働者サイドの見解について聞き取り調査を実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度内の研究成果刊行は適わなかったものの、直接の研究成果として論文一編、間接的な成果として同じく論文一編を執筆することができた。 また2018年に計画しながらも実現できなかったアメリカでの現地調査を実施するとともに、この間渉猟した先行研究文献の読み込みをある程度進めることができた。 以上から、研究進捗はおおむね順調に進展しているものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
キー概念である従業員エンゲージメントの各種向上施策について、人的資源管理や労使関係の観点から、どのような意義や課題を見いだしうるのか把握・整理することはできたものの、それらに対する、経営者サイドの見解に関する調査・研究は手薄であるといわねばならない。 以上の点を補足していくために、国内外を問わず、企業への聞き取り調査や従業員エンゲージメント推奨に取り組んでいる経営コンサルタントとの意見交換等を精力的に行っていく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては、前年の2018年度に予定していたアメリカへの調査旅行が諸般の事情により実施できなかったことの影響、および2019年度3月期に予定していた国内企業やコンサルタントへの聞き取り調査が、コロナウィルス感染拡大に伴う移動の自粛によって実施困難となったことを挙げることができる。 2020年度についても海外への移動については現時点で実現の見通しが立たないため、文献資料の収集に一層注力するとともに、国内の移動が可能になった段階で、東京を中心とした国内企業や従業員エンゲージメント施策推進に取り組むコンサルタント各社への聞き取り並びに情報提供等研究協力依頼を実施し、年度内の予算消化に努めたい。
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