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2021 年度 実績報告書

従業員エンゲージメント度数向上に寄与する人的資源管理の理論的・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01859
研究機関名城大学

研究代表者

橋場 俊展  名城大学, 経営学部, 教授 (10364275)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード従業員エンゲージメント / ワーク・エンゲージメント / 仕事の要求度-資源モデル / 従業員の発言機会 / 心理的安全性 / 単元主義的準拠枠 / 多元主義的準拠枠
研究実績の概要

最終年度となる2021年度は、これまでの研究の総決算となる論文1本の執筆と、その成果の一部を援用した学会報告を行うことができた。
論文においては、まず我が国の産官学が従業員エンゲージメント(Employee Engagement:以下EE)への関心を高めていること、それにもかかわらず各種調査で低調な日本人従業員のEE度数が判明している現状を確認した。そのうえで、低い日本人のEE度数の背景とその打開策を模索するべく英国の批判的EE研究を含む示唆的な所論をサーベイし、併せて今般指摘されている日本の労働問題を検討した。その結果、日本人従業員のEEが総じて低い水準にとどまっている理由として、仕事の資源と個人の資源の不足を確認した。さらに、こうした状況を改めEEを向上するため、仕事の資源拡充を中心としたHRMの整備を進め、持続可能なエンゲージメント構築を図っていくことの必要性を見出した。その際、適正な資源の付与を担保するために従業員による発言機会が機能することが必要不可欠となる、以上が同論文の結論であり、こうした取り組みが日本型EEマネジメントモデル構築の要諦となるとの見解が本科研研究の課題に対する一応の回答となる。
後者の、学会報告は直接的にはアメリカの労使関係、とりわけ非組合型従業員代表制度に関する考察を目的としたものであったが、現状の同国労使関係研究が、組織行動論やHRMに先導される形で単元主義的準拠枠一色になりつつあることとその弊害を説くにあたって、従来のEE研究がその典型であることを示すことができた。この意味で、この報告の結論部分は本科研研究の成果に依拠したものであるとみなしうる。
両研究成果を通じ、多元主義的準拠枠を用いたEE研究の必要性を提示したという点で学術的な貢献を、仕事の資源拡充を核に、持続可能なEE構築を提言した点で実践的な貢献をなしえたものと総括できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 我が国の従業員エンゲージメントに関する一試論―批判的見解を含む示唆的所論を手がかりに―2022

    • 著者名/発表者名
      橋場俊展
    • 雑誌名

      名城論叢

      巻: 第22巻第4号 ページ: 111-135

    • オープンアクセス
  • [学会発表] アメリカの労使関係は片翼なのか?―Electromation事件後の従業員関与/発言機会の動向2022

    • 著者名/発表者名
      橋場俊展
    • 学会等名
      社会政策学会東海部会

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公開日: 2022-12-28  

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