研究課題/領域番号 |
18K01861
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
太田 肇 同志社大学, 政策学部, 教授 (30223837)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 1on1ミーティング / 承認カード / 表彰制度 |
研究実績の概要 |
企業の中では表彰制度や社員同士がメール、カード、スマホアプリなどで承認メッセージを送り合う取り組みをするところが増えている。たとえばある飲食店のチェーン店では来客にアンケート調査を実施し、評価の高い従業員に対して毎月表彰を行っている。またあるサービス業の会社では、社員の行動を複数の次元で評価し、それを本人にフィードバックするシステムを開発し、販売するとともに自社の社員にも使用している。それが社員のリテンションやモチベーションアップにつながっていると報告されている。そのほか上司と部下の間でいわゆる「1on1」ミーティングを頻繁に実施し、その場で褒めたり激励したリスなど承認を行う企業も増えている。とくにコロナ禍で上司と部下が直接的なコミュニケーションをとる機会が減少したため、アプリやメールなどの手段を用いて部下の承認を行う企業が増加している。これらの実施状況については、企業の規模による顕著な差異は見られない。業種的には、製造業に比べてサービス業など第三次産業で積極的に取り組んでいる企業が多い。また従業員の平均年齢が低い企業では、社員が自主的にこれらの取り組みを行うケースも少なくない。 ただし表彰制度については、すでに導入している企業が多いこともあり、新たなスタイルを模索する動きもみられる。 これらの取り組みによって社員のストレスが緩和されたとか、離職の抑制につながっているという報告もある。 以上の成果については、研究会や講演、それにウェブによる寄稿などで発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で渡航が制限され、海外での調査が実施できなかった。また国内での聞き取り調査や意識調査も実施することが困難だった。それを少しでもカバーするため、リモートでの聞き取り調査、ならびに文献やネット情報などを積極的に行ってきた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、コロナ禍が終息すれば、遅れを挽回するため国内外での聞き取り調査やアンケート調査などを積極的に実施する予定である。 とくに国内での聞き取り調査については、比較的コロナ禍の影響が小さい情報・ソフト系企業を中心に聞き取り調査やアンケート調査を実施したい。またウェブによる調査の実施も計画している。 研究結果については、途中のものであってもできるだけ学会その他で発信し、フィードバックを得て研究の質向上につなげたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で国内外での聞き取り調査が実施できなかった。また質問票による意識調査も実施できなかった。 次年度はコロナ禍の終息が見込まれるため、調査が可能になった知識・業種から積極的に調査を実施する計画である。
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