研究課題/領域番号 |
18K01863
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
林 尚毅 龍谷大学, 経営学部, 教授 (10300451)
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研究分担者 |
木下 徹弘 龍谷大学, 経営学部, 教授 (20225006)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 知的財産 / 移転価格 / BEPSプロジェクト / のれん |
研究実績の概要 |
2019年度は、以下の報告を国際学会でおこなった。 Controlling Flexibility of Product Cost in Uncertainly Marketでは、グローバル競争とICTイノベーションの進展において、1990年代以降、日本の大手メーカーが製品市場の不確実性にどのように対処してきたかを探索している。具体的には、日本の大手製造業者が製品市場の変動に対して売上原価をどのように、また、どの程度コントロールしているのかを、各企業のパネルデータを用いて分析した。本研究は、国内の機械、電気、自動車メーカーの事例分析を通じてこれらの研究課題に取り組み、製品市場の変動に対する売上原価をコントロールする4つのパターンを明らかにしている。 また、Estimation of goodwill impairment losses: A case of Japanese firmsでは、企業外部からの買収取引時に発生するのれんに起因する減損リスクを推定する方法について考察している。本研究は、のれんリスクを被買収企業が属する業界の平均EBITDA倍数と当該企業のEBITDA倍数との差として定義することによって理論分析モデルを提供している。この分析モデルに基づいて、のれんの減損リスクの大きさに関して3つの命題:①のれんの減損のリスクは、(買収価額/被買収企業の純資産額)の値が大きい場合にのれんの減損のリスクは増大する、②(被買収企業の収益/当該企業の資産額)の値が小さい場合にのれんの減損のリスクは増大する、③被買収企業が収益性の低いまたは収益構造が変動する業界に属する場合にのれんの減損のリスクは増大する、を提示する。これらの命題の妥 当性がいくつかの日本企業の買収事例によって検証されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
企業調査の日程調整がうまくいかなかったが、3つの国際学会に参加し研究報告することによって知見を得ることがでたからである。
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今後の研究の推進方策 |
企業調査を行い、総括として最終報告できるよう進める。
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