研究課題/領域番号 |
18K01872
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
川端 庸子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (60411683)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 流通の国際化 / オンライン / オフライン / 越境EC / アルディ / リドル / インスタカート |
研究実績の概要 |
越境ECの登場は、製造企業や小売企業において国際化の展開に新しい選択肢をあたえ、流通の国際化と競争力に影響を与えている。上記の問題意識のもと本研究においては、さらにオンラインとオフラインとの関係性について明らかにしていく。まずは、国内外における越境ECと流通の国際化についての先行研究レビューを行い、越境ECの歴史や現状および最新の理論について、また既存の流通の国際化の理論について整理した。 本研究の最終目的は、越境ECが流通の国際化とその競争力の延長と拡大にどのような影響をあたえるのかについて明らかにしていくことである。そのため、日本と中国における事例収集を行い、以下のプロセスで実証分析を展開する予定であった。とりわけ、平成30年度は日本と中国における越境ECと流通国際化の現状と理論について調査した。それによって、越境ECおよび流通環境の共通点や差異と国際化展開の状況が整理されつつある。 加えて、越境ECと流通国際化の現状と理論について整理を行った。越境ECに関する市場規模などの現状については、経済産業省や各種研究所からの公表データをダウンロードして収集した。中国に関する公表データについては大学院博士前期課程の中国人留学生に研究協力を依頼し、データ収集を行った。 流通国際化の現状については、欧州系企業の米国展開におけるオンラインとオフラインの融合と連環に関する事例を収集することができた。これらの結果は、研究成果論文等にて発表を行うとともに情報発信をした。さらなる最新の研究成果事例収集のため、流通経済研究会などの研究会に参加し、多くの研究者の先生と専門的で貴重なご意見を伺う機会を得て、次年度への研究につなげる準備をおこなうことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は越境ECと流通国際化の現状と理論について整理を行う予定であった。越境ECに関する市場規模などの現状については、経済産業省や各種研究所からの公表データをダウンロードして収集した。 中国に関するデータについては大学院博士前期課程の中国人留学生等に研究協力を依頼し、データ収集・整理を行うことができた。予定していた国際化関連と流通経済研究所発行から流通関連の専門統計資料の購入や、流通の国際化についてユーロモニターから専門統計資料の購入については、上記のデータ収集・整理に費用を多く割くことになってしまったため今年度は見送ることになった。 流通国際化の現状については、欧州系企業であるアルディとリドルの米国展開においてオンラインとオフラインの融合を試みる宅配サービスを運営するインスタカートとの提携についての事例を収集することができた。 今年度の研究成果については、研究成果論文等にて発表を行うとともに、情報発信をすることができたと考えている。ただし、妊娠と出産に伴い、予定していた国外や遠方への研究出張は取りやめ、各学会誌や研究資料を取り寄せるなどして補い、情報収集に努めた。 このように、若干の研究方法の変更はあったものの、実証的なデータや先行事例収集についても予定通り行うことができた。よって、研究の現在までの達成度は、概ね順調に推移していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終目的は、越境ECが流通の国際化とその競争力の延長と拡大にどのような影響をあたえるのかについて明らかにしていくことである。そのため、日本と中国における事例収集を行い、以下のプロセスで実証分析を展開する。平成31年度は、越境ECと実店舗の連携に着目してインタビュー調査を実施する。これにより、競争優位の獲得の範囲を国外へ延長・拡大することはできるのか明らかにする。 平成31年度以降は越境ECと実店舗の連携に着目してインタビュー調査を実施する。研究途上で予定した以上に海外の追加調査が必要な場合は、Skypeやインターネット電話等を使用して、経済的かつ効率的に研究を進めていく予定である。一連の研究成果は、国内では日本商業学会や日本流通学会、海外ではAIBやCHARM (Conference on Historical Analysis and Research in Marketing)等で発表する。そこでのコメントを反映させた上で、International Journal of Business Strategy、International Journal of Global Business and Competitiveness、流通研究など国内外の学会誌に論考を投稿する予定である。 なお、実証に間に合わない場合は、合理的な根拠を示し、サンプルを限定するなどの対策を検討する。研究結果は、協力企業にフィードバックを行うとともにコメントを受け、日本の製造業・小売業の流通の国際化について理論的かつ実務的なインプリケーションを導出し、今後研究をさらに発展させていく方向性を明示したい。産後復帰して間もないため、今後若干の研究方法の変更を余儀なくされることもあるやもしれないが、昨年度同様に情報通信技術を駆使して効率的に情報収集し、予定通り研究を遂行できるように努めていく。
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備考 |
川端庸子「流通の国際化とインターネット」埼玉新聞、2018年6月8日付。
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