研究課題/領域番号 |
18K01872
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
川端 庸子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (60411683)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 越境EC / オンライン / オフライン / 日系小売企業 / 流通の国際化 |
研究実績の概要 |
越境ECの登場は、製造企業や小売企業において国際化の展開に新しい選択肢をあたえ、流通の国際化と競争力に影響を与えている。また、新型コロナウイルス感染症(COVID 19)のパンデミックは人々の購買方法や決済方法などを含む生活様式の変革に大きな影響を与えた。一時的に国境を超えた人の移動は制限され、訪日来日者数は減少した。しかしながら、オンラインによる消費は高齢者においても増加している。 本研究の目的は、越境ECが流通の国際化とその競争力の延長と拡大にどのような影響をあたえるのか、さらにオンラインとオフラインとの関係性について明らかにしていくことである。これまで、国内外における越境ECと流通の国際化についての先行研究レビューを行い、越境ECの歴史や現状および最新の理論について、また既存の流通の国際化の理論について整理した。今年度は、海外店舗を中心にインタビュー調査の予定であったが、研究方法を修正して、パンデミック下における国内外における消費や競争の変化および国際展開についての影響についても情報収集および調査協力を行いながら研究を進めた。 これまでの研究成果については、中央経済社より鳥羽達郎(富山大学)・川端庸子(埼玉大学大学院)・佐々木保幸(関西大学)(2021)『日系小売企業の国際展開 :「日本型」業態の挑戦』出版予定となっている。2020年6月27日に日本流通学会関西部会にて「中国越境ECの現状と課題 -化粧品を中心に-」として研究発表した。その他、東京都流通産業調査において、とりわけ新型コロナウイルス感染症の影響と競争力向上に向けた取組みやオンラインについての調査に参画した。そして、さいたま市では、これまで研究で得た知見を活かして、さいたま市商業等振興審議会の委員を務めるとともに、社会へ広く発信した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID 19)のパンデミックにより、研究方法と研究の進め方を大幅に変更することを余儀なくされた。変更点と進捗状況は以下である。 本年度は昨年度に引き続き、越境ECと実店舗の連携に着目してインタビュー調査を実施する予定であった。インタビュー調査はキリン堂、ミキハウスなどの企業であり本社のある関西方面へ事例収集とアイスタイル社の上海支社に加えて、上海以外の都市(広州や大連)でも行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID 19)のパンデミックにより出張を取りやめ、できる限りSkype・Zoom・メールなどのインターネットや電話を利用して代替調査を行った。また、国内外の学会にて研究成果発表を行う予定であったものも出張を取りやめることとした。国外研究員として所属していた英国リーズ大学などの研究者を招致して欧州の事例との比較について示唆を得る予定であったものの、パンデミック下において実現できなかった。 ただし、学会がオンライン開催されるようになったため、日本流通学会関西部会にて成果発表をした。さらに研究成果については、進捗が遅れているものの、中央経済社より鳥羽達郎(富山大学)・川端庸子(埼玉大学大学院)・佐々木保幸(関西大学)(2021)『日系小売企業の国際展開 :「日本型」業態の挑戦』に執筆し、編集作業を行った。 このように基本的には予定していた研究方法で進めているものの、調査方法の変更と修正のため、当初の予定よりやや遅れてしまった。次年度に研究を延長し、充実した研究成果となるよう尽力したい。
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今後の研究の推進方策 |
越境ECと実店舗の連携に着目してインタビュー調査を実施する。研究途上で予定した以上に海外の追加調査が必要な場合は、Skypeやインターネット電話等を使用して、経済的かつ効率的に研究を進めていく予定である。 一連の研究成果は、国内では日本商業学会や日本流通学会、海外ではAIBやCHARM (Conference on Historical Analysis and Research in Marketing)等で発表する。そこでのコメントを反映させた上で、International Journal of Business Strategy、International Journal of Global Business and Competitiveness、流通研究など国内外の学会誌に論考を投稿する予定である。 なお、実証に間に合わない場合は、合理的な根拠を示し、サンプルを限定するなどの対策を検討する。 研究結果は、協力企業にフィードバックを行うとともにコメントを受け、日本の製造業・小売業の流通の国際化について理論的かつ実務的なインプリケーションを導出し、今後研究をさらに発展させていく方向性を明示したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、調査や学会発表において国内外の出張ができなかった。それにともない、研究の進捗状況がやや遅れてしまった。そのため、次年度使用額が生じることとなった。今後は、インターネットや電話等を駆使して、調査を進めていくとともに、それらの調査結果をまとめて整理するための(事務用品および謝金)と最新の市場環境データや先行研究の収集のため(図書やデータ使用料)に使用する予定である。
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